「赤ちゃん職員」、高齢者施設に元気をお届け 北九州市

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もやい聖友会の入居者が赤ちゃんとふれあう様子/Courtesy Moyai Seiyukai

もやい聖友会の入居者が赤ちゃんとふれあう様子/Courtesy Moyai Seiyukai

(CNN) 北九州市にある入居者数約120人の高齢者施設がちょっと変わった「職員」を採用している。それは、赤ちゃんだ。

施設を運営するもやい聖友会は気前の良い待遇を用意している。勤務時間はフレックスで、粉ミルクとおむつを用意。付き添いのお母さんには施設内のカフェでお茶も出してくれる。

3歳以下が対象の赤ちゃん職員が求められているのは、好きなところに行くことと、好きなだけ歩き回ることだ。

赤ちゃん職員は、権頭喜美惠理事長が発案した。

権頭理事長によれば、約2年前に自身の孫を施設に連れて行ったところ、入居者の人たちが元気づけられていることに気が付いたという。ほかの職員も時々、赤ちゃんを施設に連れてきていたが、高齢者が赤ちゃんを目にすると笑顔になったという。

そこで施設では、近隣にちらしを配り、SNSで赤ちゃんの募集を始めた。

この取り組みは2021年にわずか1人の赤ちゃんから始まったが、今では32人の赤ちゃんが「雇用者」だ。大部分が近隣の家庭の子どもたちだという。

この取り組みは入居者の間でも好評だ。権頭理事長によれば、多くの人たちが赤ちゃんを遠くから目にするだけで笑顔になり、中には赤ちゃんと交流するために自分で車いすを動かす人もいる。

権頭理事長は、赤ちゃんの施設への訪問について、高齢者施設は憂鬱(ゆううつ)で孤独な場所という世間のイメージを払拭(ふっしょく)するだけでなく、入居者が必要としている社会的な交流の場を提供することで癒やしにつながればと考えている。

権頭理事長は、赤ちゃんが成長して小学校や中学校に通うようになっても、いつでも自分の家のように施設を訪問し続けてほしいと願っている。

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