北朝鮮によるロケット発射 この時期に強行した理由とは

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金正恩(キムジョンウン)第1書記=2011年12月、KCTV提供

金正恩(キムジョンウン)第1書記=2011年12月、KCTV提供

メルボルン(CNN) 北朝鮮が12日、長距離ロケット「銀河3号」を発射した。これまで春から夏にかけての時期を選んできた打ち上げに、このタイミングで踏み切ったのはなぜか。その動機として、国際社会との駆け引き、国内向けの正統性強化、そして戦略的な計算という3つの要因が考えられる。

まず国際情勢の面では、周辺諸国での選挙、指導部交代のラッシュが注目される。北朝鮮で昨年12月、金正恩(キムジョンウン)体制が発足したのに続き、今年は米大統領選でオバマ大統領が再選され、中国では習近平(シーチンピン)共産党総書記が就任。今月16日に日本の総選挙、19日には韓国の大統領選が予定されている。それぞれの新政権が落ち着くまでの間、北朝鮮の核問題を巡る交渉は棚上げされ、外交上の空白が生じている。

北朝鮮に核開発を断念するつもりなどないとみられるが、これまで危機を作り出しては、緊張緩和や核開発凍結と引き換えに国際社会から支援をもぎ取るのが常套(じょうとう)手段だった。しかしそれも、実際の交渉あっての話だ。

外からの支援によって国内経済のすき間を埋め、自前では供給できない食料や燃料をまかなう。もし国際社会との交渉がなければ、その作戦も成り立たなくなってしまう。

本記事はオーストラリア・ラトローブ大学講師のベンジャミン・ハビブ氏による特別寄稿です。

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