外来種により発生する世界規模のコスト、年間62兆円 国連支援の報告で判明

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外来種のオオヒキガエル=オーストラリア・ダーウィン南部/David Gray/Reuters/File

外来種のオオヒキガエル=オーストラリア・ダーウィン南部/David Gray/Reuters/File

しかも当該の数字は「途方もない過小評価で、氷山の一角に過ぎない」と、生態学者のヘレン・ロイ氏は強調する。同氏は国連の関与する「生物多様性と生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)」がまとめた今回の報告書の共著者を務める。

何らかの介入により外来種の拡大と影響を食い止めなければ、2050年の侵略的外来種の総数は05年時点より3割以上増えるという。ロイ氏は気候変動の悪化や土地と海洋の使用状況の変化を受け、外来種のもたらす脅威も一段と深刻化するとの見方を示唆した。

外来種とは、人間の活動を通じて新たな地域に移動した動植物その他の有機体を指す。これらの外来種が侵略的な性質を帯びる場合、新たな地域では在来の生物多様性や生態系、人間の生活様式に負の影響が及ぶことになる。

数多くの事例の中にはアフリカの湖や河川をホテイアオイが埋め尽くす、ミノカサゴがカリブ海の漁場に影響を与える、アフリカマイマイがインド洋に浮かぶクリスマス島の村で大発生するなどのケースが含まれる。

この他グアム島では、ミナミオオガシラと呼ばれるヘビが島内に生息する鳥類の個体全てを消滅させた。北米の五大湖でも、カワホトトギスガイが短期間に大繁殖する事態が起きている。

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