バングラデシュで賃上げ求めるデモ激化、アパレル大手に打撃

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衝突する労働者と警察=9日、バングラデシュ・ガジプール/Munir uz Zaman /AFP/Getty Images

衝突する労働者と警察=9日、バングラデシュ・ガジプール/Munir uz Zaman /AFP/Getty Images

ニューヨーク(CNN) バングラデシュで縫製労働者400万人の賃上げを求める激しい抗議運動が2週間にわたって続き、警察とデモ隊の衝突で死者や負傷者が続出している。

この衝突でこれまでに労働者3人が死亡した。組合側は、警察が催涙弾やゴム弾を使用してデモ隊が暴徒化したと話している。

同国の賃金委員会は7日、縫製労働者の賃金を12月1日から月額113ドル引き上げると発表した。しかし労働者や労働団体は、過去5年のインフレに賃金が追い付いていないとしてこれを拒否した。バングラデシュ統計局によると、2022~23年にかけてのインフレは9%と、過去12年の平均で最も高かった。

H&M、ザラ、リーバイスといったアパレル大手の衣料品を生産する縫製労働者の現在の賃金は月額95ドル。労働者側は月額208ドルを要求している。

抗議デモの影響で工場の多くは休業を強いられ、中国に次ぐ世界第2位のアパレル大国はまひ状態となっている。デモ参加者は数十人が病院に運ばれ、米国務省によるとデモ隊による工場の方かで32歳の労働者が死亡。警察との衝突で26歳の労働者が命を落とした。

米国務省のマシュー・ミラー報道官は8日、バングラデシュの労働者や組合員に対する弾圧も懸念されると述べ、労働者側が直面する経済的圧力の増大に対応するため、最低賃金の決定を見直すよう同国に求めると語った。

バングラデシュで暴動がこれほど激化するのは、縫製工場が密集していた9階建てのビルが倒壊して1100人が死亡する惨事が起きて以来、ほぼ10年ぶりとなっている。

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