人質2人救出のイスラエル軍、ラファ空爆でパレスチナ人約100人を殺害
(CNN) イスラエル軍が12日、人質2人の救出作戦と同時に行ったパレスチナ自治区ガザ地区南部のラファ空爆で、パレスチナ人およそ100人を殺害した。地元当局が明らかにした。
救出された人質は60歳と70歳のイスラエル系アルゼンチン人の男性。健康状態は比較的良好で、その後家族との再会を果たした。
イスラエル国防軍の報道官は12日、貴重な情報を入手して救出作戦を実行したと記者団に説明した。作戦にはイスラエルの諜報(ちょうほう)機関シンベトと警察の特殊部隊、イスラエル国防軍の戦車団がかかわった。
報道官によると、作戦は現地時間の午前1時49分に開始。人質のいる建物にイスラエルの特殊部隊が突入し、建物の2階でイスラム組織ハマスに拘束されていた2人を発見した。隣接する建物にもハマスの戦闘員がいたという。
救出作戦が続く間中、イスラエルの地上部隊は抵抗に遭ったと報道官は説明する。ハマスの銃撃が続く中で、奪還した人質は警察の特殊部隊が抱きかかえて守りながらラファ市内の安全な場所に移動させて健康状態を確認し、ヘリコプターでガザ地区から脱出させた。
イスラエルで人質2人の解放が称賛される一方で、ガザ地区ではイスラエル空軍が地上作戦を応援するために行った空爆で、多数の命が奪われた。
イスラエル国防軍によると、空爆は地上作戦の開始から1分後の午前1時50分に始まった。
パレスチナ赤新月社によると、ラファでは夜間にかけての攻撃で100人以上が殺害された。ガザの保健省は94人が死亡したとしている。いずれも死者のうち何人が戦闘員だったのかは明らかにしていない。
CNNはいずれの数字についても独立した立場からは確認できなかった。数字に違いがあるのは、保健省は遺体が確認された死者の数を集計しているためと思われる。両者とも、死者の数はさらに増える見通しだとしている。