パキスタン緊迫、カーン前首相の支持者と軍が対立

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タイヤを焼いて道路をふさぐデモ参加者=9日/Muhammed Semih Ugurlu/Anadolu Agency/Getty Images

タイヤを焼いて道路をふさぐデモ参加者=9日/Muhammed Semih Ugurlu/Anadolu Agency/Getty Images

パキスタン・イスラマバード(CNN) 汚職容疑で逮捕されたパキスタンのカーン前首相(72)が10日、判事の前に姿を現す見通しとなった。カーン氏は24時間足らず前に準軍事組織によって逮捕され、パキスタンでここ1年続く政治対立が深刻化している。

警察によると、カーン氏の審問は「同氏を公衆から遠ざける」ため、裁判所ではなく警察本部で行われる。警察本部の建物の外には同日、カーン氏の支持者と警察機動隊が集結した。

カーン氏の弁護士は同日、CNNの取材に対し、カーン氏とは「接触していない」と説明した。

こうした状況を受け、パキスタンの強力な軍隊とカーン氏の支持者が対峙(たいじ)する可能性が出ている。9日には怒った群集が軍関係者の自宅に突入し、内部を荒らすという前例のない衝突が発生。死者も出た。

9日の逮捕前に撮影された動画には、準軍事組織が窓を破ってカーン氏に近づく様子や、目の前の混乱を平然と見守るカーン氏の姿が映っている。カーン氏はその後、数十人の治安部隊員に囲まれて車両に乗せられ、連れ去られた。

カーン氏の政党「正義運動(PTI)」は逮捕後、事前に用意した声明をユーチューブに投稿。カーン氏はこの中で、自分は「不正確な容疑で拘束」されると述べ、支持者に「皆さんが前に出て、自分たちの権利のために闘う時が来た」と呼び掛けた。

呼び掛けに応じたカーン氏の支持者数百人が街頭に繰り出し、複数の都市で暴力的なデモが発生する事態となった。

カーン氏は昨年、議会の不信任決議で失脚。その後はシャリフ首相率いる現政権が軍と共謀して自身を解任に追い込んだと非難し、政権への抗議運動を主導している。

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