ロシアの演出家、「テロ正当化」の疑いで逮捕

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被告席で待機するエフゲニア・ベルコビッチ氏/Alexander Nemenov/AFP/Getty Images

被告席で待機するエフゲニア・ベルコビッチ氏/Alexander Nemenov/AFP/Getty Images

(CNN) ロシアで先週、演出家のエフゲニア・ベルコビッチ氏(38)がテロを正当化した疑いで逮捕されたことが分かった。

ベルコビッチ氏は、過激派組織イラク・シリア・イスラム国(ISIS)の戦闘員と結婚するためにシリアへ送り込まれるロシア人女性たちを描いた作品をめぐる容疑で、脚本家とともに5日に逮捕された。

ロシア国営タス通信によると、検察は同作品が「テロリストを美化、正当化、賛美」し、「急進的フェミニズムのイデオロギー」をあおったと主張している。

独立系メディアによると、同作品は2021年、ベルコビッチ氏の劇団が文化省などの後援で上演。昨年、国内の演劇祭「ゴールデン・マスク」で二つの賞を受賞し、同氏は演出家賞にもノミネートされた。「テロの仕組みを暴露した」と評されている。

ベルコビッチ氏は7月4日まで拘置される。障害のある養女2人を育てているため、弁護士らは自宅待機を求めたが、認められなかった。裁判で有罪となれば、最大で禁錮7年の刑を言い渡される。

独立系のロシア紙「ノーバヤ・ガゼータ」はベルコビッチ氏ら2人を支援し、ロシア当局に「抑えつけるなら作家ではなく殺人者を」と求める公開書簡を出した。

ロシアではウクライナ侵攻が始まってから文化界への締め付けが強まり、多くの著名人が活動の場から追放されたり、訴追されたりしてきた。

西部サンクトペテルブルクの当局は、市内にあるマールイ・ドラマ劇場に所属する俳優が反戦の投稿で捜査対象になったことを理由に、同劇場を一時的に閉鎖している。

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