政情不安続くハイチ、犯罪発生率が過去1年で倍増以上

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ギャング絡みの暴力事件が起きているハイチ首都ポルトープランスをパトロールする警官/Richard Pierrin/AFP/Getty Images

ギャング絡みの暴力事件が起きているハイチ首都ポルトープランスをパトロールする警官/Richard Pierrin/AFP/Getty Images

(CNN) ギャング組織などがはびこる政情不安が収まらない中米ハイチの国家警察や国連は29日までに、同国での犯罪件数の発生率が今年第1四半期(1~3月)に前年同期比で倍増以上を記録したと報告した。

殺人、レイプ、拉致や私刑などは1600件以上を記録した。前年同期は692件だった。今年3月中に起きた件数は2005年以降で過去最多ともなっていた。

ハイチ問題に関する国連特使は最近、首都ポルトープランスで縄張り争いをめぐる武装ギャング同士の争いが増えているとし、多くの住民が自衛手段に訴える措置が目立つと指摘。ギャングの構成員と疑われる十数人に住民がリンチの処刑を下した事例もあるとした。

住民は極度の貧困に襲われ、人道危機にも直面している。首都の広範な地域をギャングが牛耳るなどのいびつな状況が過去1年余にわたって続き、拉致の頻発やコレラ発生の公衆衛生危機にもつながっている。

国連特使は混迷が深まる中で子どもたちがその弊害にさらされているとし、過去3カ月の間、学校の生徒が教室で座っていた際に銃弾を浴びるなどの悲劇も起きたとした。

ハイチでは2021年7月に、当時のモイーズ大統領が首都の私邸で武装集団に暗殺される事件が発生。背後関係は依然謎に包まれている。国内情勢はその後も悪化し、ギャングがのさばる事態へつながっていた。

ハイチ政府と国連のグテーレス事務総長は昨年10月、国際社会に対しハイチの人道危機などに対処するため部隊を派遣する必要性を訴えてもいた。国連特使は最近、ハイチの混乱が中米の他国に波及する可能性も警告した。

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