イスラエル警察、アルアクサ・モスクに突入 1日で2回目

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「アルアクサ・モスク」に入るイスラエル警察の警官=4日、エルサレム/Mostafa Alkharouf/Anadolu Agency/Getty Images

「アルアクサ・モスク」に入るイスラエル警察の警官=4日、エルサレム/Mostafa Alkharouf/Anadolu Agency/Getty Images

(CNN) イスラエル警察は5日、エルサレムにあるイスラム教の聖地「アルアクサ・モスク」に突入した。モスク突入はこの日2度目。イスラエル警察は数時間前にもモスクを強制捜査して数百人を逮捕し、アラブ諸国やイスラム教圏から非難を招いていた。

今回の衝突はアルアクサ・モスクでイスラム教のラマダン(断食月)に合わせた礼拝が行われ、ユダヤ教徒が5日夜に「過ぎ越し祭」を祝うタイミングで発生した。ガザ地区からは報復としてロケット弾が発射された。

5日午前の1回目の事案では、イスラエルの警官隊がモスク内で悲鳴を上げる人々を警棒で殴打した。目撃者はCNNに対し、警察はモスクに入るためドアや窓を破壊し、中に入ると閃光(せんこう)弾やゴム弾を使用したと証言した。

イスラエル警察は声明で、「数百人の暴徒やモスクの冒瀆(ぼうとく)者が立てこもった」のを受け、警官隊がモスクに入ったと説明。警察が中に入ると石が投げつけられ、大勢の扇動者がモスク内から花火を発射したと述べた。

パレスチナ赤新月社(赤十字に相当)のエルサレム支部によれば、モスク内や周辺での衝突で少なくとも12人が負傷し、うち少なくとも3人が病院に搬送された。ゴム弾でけがを負った人もいるという。

警察はモスク内にいた350人以上を逮捕、排除したと明らかにした。警官2人が負傷したとしている。

SNSで共有された画像には、うつぶせ状態でモスクの床に横たわる被拘束者数十人が写っており、その脚や腕は体の後ろで縛られている。手を縛られた状態で車に乗せられた人もいる。

5日夜の2度目の事案をとらえたSNS上の動画には、武装したイスラエル軍が閃光弾を使用し、礼拝するイスラム教徒に即時退去を命じる様子が見える。

5日午前の出来事はアラブ諸国やイスラム教圏から幅広い非難を招いた。ヨルダン外務省はイスラエル警察の行動を「最も強い言葉」で非難。イスラエルに対し、モスクから軍を即時撤収させるよう求めた。

エジプト外務省も警察によるモスクへの「突入」を非難。「礼拝者や信者に多数の負傷者」が出ており、「あらゆる国際法や慣習に違反する」と指摘した。

ユダヤ教の過激派団体からはここ数週間、モスクの敷地内でヤギを屠殺(とさつ)するよう求める声が出ていた。これは古代に行われていた「過ぎ越し祭」の儀式の一部で、大半のユダヤ教徒はもう実践していない。屠殺の阻止が呼び掛けられ、大勢のイスラム教徒がモスク内にとどまる事態になっていた。

アルアクサ・モスクはイスラム教で最も重視される場所の一つだが、同時にユダヤ教でも「神殿の丘」と呼ばれる聖地になっており、しばしば緊張の火種になる。

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