サッカー解説者のリネカー氏、ＢＢＣの番組を降板　移民に関するツイート受け

（ＣＮＮ） サッカーの元イングランド代表で現在は解説者として知られるギャリー・リネカー氏が、司会を務めるＢＢＣ の人気サッカー番組「マッチ・オブ・ザ・デー」を降板する見通しとなった。同局が１０日に明らかにした。リネカー氏を巡っては今週、移民に関するツイッターへの投稿が物議を醸していた。

同氏は７日、亡命希望者に対する英政府の方針を発表した内務省のツイッター動画に「これはひどすぎる」などとコメント。英国では欧州の主要国のような難民の大量流入は起きていないとし、非常に残酷な政策が最も弱い立場の人々に適用されていると述べた。

その上で、１９３０年代にドイツが行ったやり方と変わらないとする考えを示唆した。

ＢＢＣは声明を出し、今回の番組降板の決定に先駆け、リネカー氏及び同氏のチームと「幅広い議論」を行ったと説明。同氏による最近のソーシャルメディア上の活動は局の指針に違反しているとの認識を示し、「マッチ・オブ・ザ・デー」司会者からの降板を決めたと述べた。同氏のソーシャルメディアの活用について双方が明確な立場で合意するまで、出演を見送るとしている。

声明はリネカー氏について、サッカーをはじめとするスポーツ番組の司会者として並ぶ者のない存在と評価。自身にかかわる問題について見解を表明することに異存はないとしつつ、党派が絡む政治問題や政治的な論争からは距離を置き、一方を支持するのは避けた方が良いとの考えを伝えたことを明らかにした。

ＣＮＮはリネカー氏のチームに連絡を取ったものの、ＢＢＣの声明に関するコメントは得られなかった。

１１日放送予定の「マッチ・オブ・ザ・デー」には司会者も解説者も出演しない見通しだ。リネカー氏と共演する解説者らは、相次いで同氏への支持を表明した。

元イングランド代表のアラン・シアラー氏とイアン・ライト氏は共にツイッターで、番組に出演しない意向をＢＢＣに伝えたと明らかにした。

ライト氏は「『マッチ・オブ・ザ・デー』が自分にとってどれほどの意味を持つのかは誰もが知っている。それでもＢＢＣに明日は出ないと伝えた。結束だ」とツイートした。

ＢＢＣの広報担当者は１０日夜、同局がリネカー氏との状況を解決するまで一部の解説者が番組出演を見合わせる意向だということを明らかにした。その上で番組は試合内容に特化したものとなり、スタジオに司会者や解説者が登場する形式にはならないと説明した。