制御不能なロシアのロケットのステージ、大気圏に再突入

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発射準備中の重量物運搬ロケット「アンガラA5」=2020年12月14日/Russian Defense Ministry Press Service/AP

発射準備中の重量物運搬ロケット「アンガラA5」=2020年12月14日/Russian Defense Ministry Press Service/AP

(CNN) ロシアが打ち上げたロケットのステージが制御不能な状態で落下している件で、追跡をしている米軍宇宙コマンドの最新の推計結果によると、同ステージが地球大気圏に再突入した。

重量物運搬ロケット「アンガラA5」は先月27日、ロシア北西部アルハンゲリスク地方のプレセツク宇宙基地から打ち上げられた。国営タス通信によると、この打ち上げは「ペルセイ・ブースター」の名で知られる新型のロケット上段ステージを試験するものだった。

アンガラA5とペルセイ・ブースターの位置を追跡していた米宇宙コマンドは声明で、米山岳部時間5日午後4時8分(日本時間の6日午前6時8分)に南太平洋上空で再突入したと発表した。

ただ落下地点の正確な特定はできない可能性がある。

大半の宇宙ゴミは大気圏再突入時に燃え尽きて被害が生じるリスクは極めて小さいが、もし比較的大きな部分が人の住む地域に落下すれば被害が出る可能性はある。

欧州宇宙機関(ESA)の宇宙ゴミ部門責任者、ホルガー・クラッグ氏は、ロシアのロケットの当該部分は秒速7.5キロで移動しており、再突入の緯度の範囲は北緯63度から赤道の南の間になる公算が大きいとの見解を示していた。

昨年5月には、中国の宇宙ステーション打ち上げに使われたロケットの残骸が制御不能状態でインド洋に落下。米航空宇宙局(NASA)は中国が「責任ある基準」を満たさなかったと批判した。

クラッグ氏によると、このとき落下した中国のロケット「長征5号B」が約20トンだったのに対し、ロシアのロケットの当該部分は燃料抜きで約4トンと、中国のものより小さいと考えられている。

ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのジョナサン・マクドウェル氏によると、中国の長征5号Bが全長32メートルだったのに対し、ペルセイ・ブースターは全長10メートル。ペルセイ・ブースターの方が軽いものの、約16トンの推進剤を搭載している。総質量では長征5号Bとほぼ同じだが、その大半はおそらく液体で大気圏で燃え尽きるとみられ、地上へのリスクは大幅に小さいという。

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