パキスタン、名誉殺人の罰則強化へ 満場一致で法案成立

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家族の意に反する結婚をしたとして18歳で殺害されたジーナト・ラフィークさん

家族の意に反する結婚をしたとして18歳で殺害されたジーナト・ラフィークさん

イスラマバード(CNN) パキスタンの上下両院は6日、いわゆる名誉殺人への罰則を強化する法案を満場一致で可決した。この法案は3月にも審議されたが、そのときは十分な支持を得られなかった。

「悪循環がこれで終わりを迎える」と、ある上院議員は述べた。新法の下では、名誉殺人を犯した者は少なくとも禁錮25年の刑を受けることになるという。「妹や妻や母親を『名誉』の名の下に殺害し、そのことを両親や家族が許したとしても、殺人者が大手を振って歩くことはできなくなる」

身内の女性が一族の「恥」となる行為をしたと考えた家族がその女性を殺す——これが一般的な「名誉殺人」像だ。

パキスタンのシャリフ首相は、こうした女性を対象とした暴力事件の容疑者をきちんと裁きの場に引き出すべきだとの圧力にさらされていた。

法案が議会を通過した後、シャリフ首相は声明を出し「名誉殺人に名誉などない」と述べた。「女性は社会の欠かせない一員であり、女性の地位向上や保護、解放の重要性を私は信じる。それが実現すればわが国の発展と繁栄に女性も同じように貢献できるようになる」

また議会では、強姦犯の裁きを容易にするため、DNA検査を義務化する法案も可決された。

同国の独立機関「人権委員会」によれば、名誉殺人で殺された女性は今年上半期だけで約300人に上る。世界経済フォーラムの昨年の報告書によれば、パキスタンの性格差のひどさは145カ国中144位だ。

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