拉致した少女を自爆犯に 生還者が語るボコ・ハラムの新戦法

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自爆犯に志願するのは「洗脳」が理由ではないと語る

自爆犯に志願するのは「洗脳」が理由ではないと語る

ボコ・ハラムが本拠とするサンビサ森林地帯で、ファティさんは自分よりさらに幼い少女たちも見かけたという。やはり家族から引き離されて結婚を強いられ、閉じ込められたまま性的虐待を受けていた。「さらわれてきた少女たちは数え切れないほどの人数だった」と、ファティさんは話す。その中には、14年4月にナイジェリア北東部チボクの学校から拉致された少女たちもいたという。

女子生徒270人余りが拉致されたチボクの事件は当時、全世界で報道され、ボコ・ハラムによる女性への虐待が初めて明るみに出た。だがその後、ボコ・ハラムは子どもを使った自爆テロという、さらに卑劣な戦法に乗り出したのだ。

国連児童基金(ユニセフ)によると、ボコ・ハラムがテロを繰り返しているナイジェリア、ニジェール、チャド、カメルーンの4カ国では、子どもを自爆犯に仕立てた攻撃が14年の4件から15年は44件に急増。このうち4分の3を女児が占めていたという。ボコ・ハラムが最近、周辺諸国の連合軍によるこれまでにない圧力にさらされ、必死になっている様子がうかがえる。

かつてボコ・ハラムの揺るぎない支配下にあったサンビサでも、ナイジェリア軍が激しい空爆や急襲作戦を繰り広げている。「爆弾や銃弾がいつも降り注いでいた」と、ファティさんは話す。ボコ・ハラムの男たちと同じくらい、爆弾が怖かった。「食べるものは何もない。子どもたちは飢えのためにあばら骨が浮き出ていた」という。

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