米国のウクライナ支援、ホワイトハウスの緊急警告に議会が突きつける現実

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ウクライナ北部チェルニヒウで無人機攻撃の演習を行うウクライナ軍兵士/Sergei Supinsky/AFP/Getty Images

ウクライナ北部チェルニヒウで無人機攻撃の演習を行うウクライナ軍兵士/Sergei Supinsky/AFP/Getty Images

ワシントン(CNN) 米国がウクライナ支援に投じる資金は間もなく底を突くとのバイデン政権の緊急警告は、連邦議会での容赦ない現実にぶつかっている。下院では一部の保守派がこれ以上のウクライナ支援に難色を示し、上院の共和党議員は当該の資金をより広範な支出パッケージの一部にするよう主張する。この支出にはイスラエル、台湾、米国南部国境の問題に充てる資金が含まれる。

協議が暗礁に乗り上げ、議員らも来週末にはワシントンを離れてホリデーシーズンを過ごすと予想される中、ホワイトハウスがウクライナ向けのさらなる資金を確保する見通しは暗い。特にバイデン政権は見たところ、議会から一段の予算を引き出さない限り、ウクライナ向けの装備や武器の調達能力を使い果たしつつある状況だ。

議会指導部への4日付けの書簡で、行政管理予算局(OMB)のヤング局長は、「議会が行動を起こさなければ、年末までに我々は、これ以上の武器及び装備をウクライナ向けに調達する資源を使い果たすだろう。米軍の備蓄から供与する装備も底を突く」と訴えた。

これまで米国がウクライナに提供した約440億ドル(約6兆4800億円)規模の軍事支援は、大半が二つの資金源に由来する。このうち「緊急時大統領在庫引き出し権(PDA)」は国防総省が自前の備蓄から装備と兵器システムをウクライナへ送付するのを認める。もう一方の「ウクライナ安全保障支援イニシアチブ(USAI)」は同省に対し、議会から割り当てられた資金を使って新たな装備を米国防メーカーから購入するのを可能にする。

複数の情報筋がCNNに明らかにしたところによると、PDAは底を突きかけている。また国防総省は11月初め、USAIの資金が枯渇したと述べた。ある政権当局者によれば、国防・諜報(ちょうほう)偵察に割り当てられた資金も約10億ドルを残すのみだという。

国防総省のライダー報道官によると、PDAに残る資金はおよそ48億ドル。ただ米当局者の間ではこの金額にも一段の制限が加えられる恐れがあるとの懸念が浮上する。米国側も資金を投じて備蓄を補充し、ウクライナへ送る分の装備や武器の穴埋めをする必要があるためだ。

現時点で、この埋め合わせに充てられる資金は約10億ドルしか残っていないと、米当局者の1人はCNNに打ち明ける。

加えてある米国防当局者は、同国が自軍のための補充を補助資金なしで適時に行えなければ、既存の即応能力が困難に直面するのは確実だと示唆した。

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