「三体」ドラマ化を夢見た起業家の毒殺、元ビジネスパートナーに死刑判決

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ネットフリックスでドラマ化された「三体」の一場面/Netflix

ネットフリックスでドラマ化された「三体」の一場面/Netflix

上海裁判所の判決によると、許被告は「会社の経営問題」をめぐって林氏との不和が生じ、毒殺を計画した。さらに、幹部2人のオフィスでも飲料に毒を仕込み、同僚4人が体調を崩した(4人とも命はとりとめた)。

その後の数カ月で中国のメディアは、何月もかけて計画された、背筋が凍るような事件の真相を浮かび上がらせた。

許被告は米国のテレビドラマ「ブレイキング・バッド」(末期がんと診断された化学教師が麻薬製造ビジネスに乗り出すというストーリー)の大ファンだった。

許被告は160の携帯電話番号を入手し、日本に貿易会社を設立して有害化学物質を入手した。林氏の殺害に使った毒物もこの中に含まれていた。

20年9月から12月にかけ、許被告は幹部2人のオフィスにあるコーヒーカプセルやウイスキー、ペットボトルの水などの中身を入れ替え、急性毒物の塩化メチル水銀を注入したとされる。

社内の情報筋を引用して中国メディアが報じたところによれば、林氏の殺害は三体のドラマ化を実現したいという同氏の野望に関係していた。

林氏は17年、ドラマ化の著作権を手に入れるため、著名弁護士だった許被告を引き入れ、許被告は著作権の獲得に成功。許被告は三体のプロジェクトを手掛ける遊族網絡の子会社のトップに就任した。

しかし許被告の実績に不満を持った林氏は間もなく許被告を退け、プロジェクトは別の幹部に引き継がれた。この幹部は後に、許被告が水銀を混入した飲料を飲まされていると、中国メディアは伝える。

許被告の給与は大幅に減額されたという。ネットフリックスが20年9月に三体のドラマ化を発表した際に、エグゼクティブプロデューサーとして林氏とこの幹部の名が紹介される一方で、許被告の名はどこにもなかった。

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