コロナ明けに訪れたい、インドネシア・コモド国立公園の魅力<上>

コモド国立公園の「出発点」、ラブアンバジョからボートで行けるランコ洞窟/Shutterstock

2021.05.21 Fri posted at 15:45 JST

(CNN) インドネシアのフローレス島沖に位置し、複数の火山島とサンゴ礁から成るコモド国立公園を訪れたことがある人なら、同国立公園がユネスコの世界遺産に登録されていると聞いても驚かないだろう。

コーラル・トライアングルの中心

フローレス島の北西端に位置する活気のある港町ラブアンバジョは、コモド国立公園の「出発点」として最もよく知られている。2015年に近代的な新ターミナルがオープンしたコモド空港があるのもこの町だ。

ラブアンバジョでは、2022年に主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)、23年には東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の開催が予定されており、さらなる開発が進んでいる。

今回は、インドネシアが海外からの旅行者の受け入れを再開した際、ラブアンバジョなどを訪れる旅行者が現地でどのような体験ができるかをご紹介する。

ラブアンバジョ:単なる港町にあらず

「ラブアンバジョ」という名前は「漂海民たちが立ち寄る場所」という意味だが、この町はクルージングの予約をしたり、真珠やアワビの貝殻を買い込むために立ち寄るだけではもったいない場所だ。

この町には、プライベートアイランドの海辺のバンガローから、高級ビーチフロントホテル、ホームステイ、ブティックホテルまで、予算に応じて選べるさまざまな宿泊施設があり、さらに2022年のG20サミットの開催に向け、数多くのホテルを建設中だ。

白と緋色の砂、ターコイズブルーの海のコントラストが美しい海岸線

シーフードやビーチクラブも魅力だが、この町の最大の目玉は自然、と語るのは、インドネシア旅行ガイド協会の現地支部長を務めるセバスチャン・パンダン氏だ。

パンダン氏によると、市内観光に行くならラブアンバジョからボートで行けるランコ洞窟、大人も子どもも楽しめるチュンチャ・ウーラン渓谷の滝と天然のウォータースライド、日暮れの島の景色が美しいブキット・チンタ、日光が反射して輝く壁が特徴のバトゥ・チェルミン洞窟がおすすめだという。

フローレス島内の探索

時間に余裕のある旅行者には、フローレス島の探索がおすすめだ。バリ島の2倍以上の大きさのこの細長い島では、豊かな部族文化と緑にあふれた火山の風景が楽しめる。

円錐(えんすい)形をしたわらぶき屋根の家屋で知られる部族の村、ウェレボ村には徒歩でしか行かれない。またルバ村とベナ村では今も古代の母系文化が続いている。

島の緑豊かな高地では、至る所で伝統儀式や武装ボクシングなどの伝統的なスポーツが行われている。また女性たちは今でもインドネシアの伝統的手織り布「イカット」を織り、さらにコーヒーの栽培も盛んだ。

島の東部にはクリムトゥ火山があり、この火山の山頂には水の成分によって色が変化する3色の火口湖がある。

コモド島とリンチャ島には、国立公園に生息する5千匹あまりのドラゴンの大半が生息

コモド島:ドラゴンの生息地

コモド島は、ラブアンバジョからボートで約2時間の場所にある。この島で1番人気のアトラクションはコモドドラゴンの群れだ。

「地元の伝説では、コモドドラゴンは1人の母親から人間とともに生まれるとされている」と語るのは、コモド国立公園のレンジャー(自然保護官)のイスハーク氏だ。

コモド島と隣のリンチャ島には、コモド国立公園に生息する5000匹あまりのドラゴンの大半が生息している。島の村人たちは数世紀の間に、このうろこに覆われた肉食動物たちとうまく共存する術(すべ)を身に付けた。

コモドドラゴンはあごが垂れ下がり、動きも遅いが、強力な捕食動物だ。オスのドラゴンは体長が最大で3メートルに達し、強力なあごと猛毒で水牛ほどの大きさの獲物も倒してしまう。

コモド島の探索は、怠惰なドラゴンたちが食べ物を求めてたむろしている近くの建物までの短い散策から、活発なドラゴンたちがシカやイノシシなどを狩っている周辺の森への半日のハイキングまで、さまざまなコースがある。

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