(CNN) 人類の歴史を通じ、戦争は各国の国民に深い傷を残してきた。往時を伝えるため設立された博物館の数々を概観しながら、当事者として戦った人々に思いをはせる連載の最終回。
8.ベルギー王立軍事歴史博物館(ブリュッセル)
地図上の位置が災いし、ベルギーは2つの大戦において戦場と化した。その結果、現在の同国は密集した戦跡の数々と、第一級の軍事博物館を有している。
王立軍事歴史博物館はブリュッセル中心部のサンカントネール公園に位置する。中世から現在に至るまでの兵器や装備の大規模コレクションを所蔵。直近ではF16戦闘機が加わった。
9.オランダ・レジスタンス博物館(アムステルダム)
この小規模ながら非常に興味深い博物館は、アムステルダムの歴史的中心部付近にあり、今回のリストの中では変わり種の施設といえる。なぜなら戦争において通常は表に出ない側面、すなわち敵の占領地内で繰り広げられる生と死を扱っているからだ。
オランダが第2次大戦中ナチス・ドイツにより占領されていた時期の出来事に焦点が当てられているものの、レジスタンスと占領という主題は欧州の多くの国が共感できるものだ。
10.米国立歩兵博物館(ジョージア州フォートベニング)
ジョージア州のこの軍事施設には米陸軍の新兵入隊訓練センターのほか、国立歩兵博物館もある。独立戦争から現在に至るまでの米国史をたどるにはうってつけの施設だ。
10月には、テロとの戦いにまつわる記念品が新たに公開される。世界貿易センタービルのがれきの中から回収された鉄骨や、2001年同時多発テロ以降の任務で殺害された全ての米軍要員の名前が展示される見通しだ。
11.米国立空軍博物館(オハイオ州デイトン)
オハイオ州デイトンにある米国立空軍博物館は世界有数の航空機コレクションを誇る。
数百機に上る航空機が展示されており、その中には歴史を代表するいくつかの戦闘機のみならず、印象的な外観の「XB70バルキリー」といった珍しい試作機や、大統領専用機なども含まれている。
12.米国立海兵隊博物館(バージニア州クアンティコ)
この博物館では、米海兵隊が参戦した歴史上の主要紛争を扱う体験型の展示を通じ、200年以上にわたる海兵隊の業績を余すところなく記録、説明している。海兵隊員の養成に必要とされる独特の過酷な訓練の一端を垣間見ることもできる。
現在は改修期に当たっており、博物館は新しい現代的な建物に移転した。そのデザインは硫黄島に星条旗が掲げられた象徴的な場面をほうふつとさせるものだ。
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連載終わり