(CNN) 3日間のプログラムで体重を落とせるという触れ込みの「軍隊ダイエット」。実際の献立を概観して効果を分析する連載の2回目だ。
1~2日目はトースト1切れやクラッカー5枚といった簡素なメニューが中心ながら、夕食には肉類を食べることができた。1日分のカロリーはそれぞれ1066カロリーと1193カロリーだった。
3日目は最もカロリー制限が厳しく、わずか862カロリーの摂取が許されるのみだ。
朝食はチェダーチーズ1切れに塩味クラッカー5枚のほか、小さなリンゴ。これで232カロリーとなっている。
昼食は何も塗らないトースト1切れと卵1個のみ。2日目に続き卵を揚げても計170カロリーだ。
夕食は460カロリーで、バナナ半分とツナ1缶のほか、1~2日目と同様アイス1カップが付いてくる。
3日間の特別メニューを乗り切った週の残りは、1日1500カロリー以下の範囲で好きなものを食べる。その後、3日間の食事制限を再開するという流れだ。運動は全く必要ないとされている。
糖尿病患者の食生活についての著書があるエレーヌ・マギー氏はこれらの食事制限について「健康的もしくは維持可能な体重減につながらない新手の流行ダイエットだ」と強く指摘。そのうえで、運動は「体重減を持続させるうえでの鍵」だと付け加えた。
また同氏は、ここまで食事を制限するダイエットでは体や精神に影響が出る可能性もあると言及。「素早く体重を落としてはリバウンドするという循環につながりかねない。免疫系を弱めたり、代謝率の乱れを引き起こしたりしかねず、胆石や心臓の不具合など他の健康問題が生じるリスクを高める恐れもある」と述べた。
こうした流行のダイエットが軍隊と結びつけられているのはなぜだろうか。各種記事やブロガーらによると、このダイエットは基準に達しない入隊者の体重を落とすため米軍の栄養士により開発されたものだとしている。
ただ、米軍保健科学大学の教授は「軍と30年間仕事をしてきた中で、これについて耳にしたことはない」と指摘。「こうしたダイエットを軍は開発も使用もしていない。実際の軍の食生活とは似ても似つかない。軍の食事の方がもっと健康的であり、栄養面でより健全なくらいだ」と述べた。
軍隊ダイエットについてインターネットで検索すると、上位に表示される「themilitarydiet.com」というサイトにたどり着くだろう。写真やダイエット成功のための助言とともに、詳細な説明を見ることができる。Q&Aやブログ、カロリー計算コーナーなどもある。
ただ、ページのどこにも著者や専門家、栄養関係の権威は登場しない。この情報の所有権を主張する人はおらず、専門知識を裏付けるいかなる証明も得られない。
CNNで栄養関連の記事を執筆するリサ・ドレイヤー氏は「これは警告対象だ」と言及。効果的なダイエット計画はいかなるものであれ、信頼できる人物や情報源、団体によって作成されるか、その協力を得なければならないと述べた。
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次回「3日で痩せる? 人気の『軍隊ダイエット』を検証<3> 虚偽情報が広まる理由」は10月9日公開