ニューヨーク(CNNMoney) キャシー・パラギオ氏は製品を購入する際、それがどの国で製造されたかを常にチェックしている。
パラギオ氏は、トランプ大統領が米国民に米国製の製品を買い、米国人を雇うよう訴え始めるずっと以前から「メイド・イン・USA」の信奉者だった。
パラギオ氏は2012年に男性用水着ブランド「NoNetz」を立ち上げた。同ブランドは、擦れや発疹を防ぐ水着を製造している。パラギオ氏はその水着を米国内で製造することを誓い、水着の製造が可能なニューヨーク・ブルックリンの繊維工場MCMエンタープライズを探し出した。
しかし、1つ問題があった。この水着をブルックリンで製造した場合、1着あたり23ドルのコストがかかるのに対し、中国で製造し、パラギオ氏のオフィスに送った場合のコストはわずか10ドルにすぎなかった。
「(米国で製造するなんて)私はまるで無能な経営者だ」とパラギオ氏は言う。しかし、ブルックリンで製造するというパラギオ氏の決意は変わらなかった。米国の消費者は必ず「メイド・イン・USA」のラベルが付いた製品を選ぶと確信していたのだ。
しかし、現実はそうではなかった。
「米国製か否かなど誰も気にしない」とパラギオ氏は言う。パラギオ氏はこのほど、収益について現実に目を向けるようにとの率直なアドバイスを受け、初めて一部の水着を中国に発注した。そして、悔し涙を流した。
トランプ大統領はよく「米国製品を買うように」と説く。就任演説でも、またテレビのゴールデンタイムに放送されて4700万人以上が視聴した就任後初の議会演説でもそれを訴え、さらに大統領選挙戦でも争点として取り上げた。
しかし、トランプ氏の構想の最大の障害は、常に安い製品を求める米国の消費者かもしれない。
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次回「『バイ・アメリカン』政策の行方は<2> 最大の関心は価格」は5月4日公開