魂に安らぎを、タイのゾウ保護施設を訪ねる<3> 広がる「救済」の取り組み

PESのツアーに参加した俳優のアーロン・ポール氏

2017.08.21 Mon posted at 17:00 JST

(CNN) タイのプーケット島にできた初のゾウ保護施設、プーケット・エレファント・サンクチュアリ(PES)。昨年の11月、同施設を初めて有名人のゲストが訪れて話題になった。

米国のテレビドラマシリーズ「ブレイキング・バッド」のジェシー・ピンクマン役で知られる俳優アーロン・ポール氏が、妻ローレンさんとともにPESのツアーに参加したのだ。

このポール氏の突然のPES訪問を世界中のマスコミが報じた。ロジャーソン氏は、ポール氏のような有名人の訪問は、世間のゾウへの関心を高める一助になると考えている。

ゾウ救済に必要な指針とは

ゾウの保護に関して、PESが活動のモデルとしている施設がある。タイ北部にあるゾウの救済・リハビリテーション施設、エレファント・ネイチャー・パークだ。

動物権利擁護団体PETAアジアの国際事業担当マネジャー、アシュリー・フルーノ氏によると、すべての合法的なゾウ保護施設は、あるガイドラインにのっとって運営されているという。

動物のストレスを最小化するために訪問者の数は制限され、虐待的な訓練やブルフックのような道具の使用も禁じられている。またゾウ乗りやゾウによるパフォーマンスは、いかなる形であれ禁止だ。また来場者は、ゾウの方から接触してこない限り、ゾウに触れてはならない。

ゾウの肉体や精神を傷つけてはならないという意識が、消費者の間にも広まりつつある

各地の保護施設による取り組みには、すでに進展の兆しが表れている。世界最大の旅行サイト「トリップアドバイザー」は昨年10月、エレファントライド(ゾウ乗り)など、ゾウの魂を肉体的、精神的に「打ち砕く」活動を含むアトラクションのチケット販売を中止すると発表した。

これは世論の大きな変化の表れだ、とフルーノ氏は指摘する。

「消費者たちは、捕らわれの身の野生動物たちが受けている苦しみをこれまで以上に認識しており、それを支持してはいないのだ」(同氏)

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