感染症撲滅へ、武器は「蚊の工場」<2> ワクチン開発は前途多難

ブラジルなどで蚊を媒介にしたジカ熱が流行

2017.02.19 Sun posted at 09:00 JST

中国・広州(CNN) ジカウイルス感染症(ジカ熱)はすでに60以上の国と地域で流行している。最も危険にさらされているのが妊婦だ。ジカウイルスは先天性小頭症やその他の神経障害を引き起こす恐れがあり、これらの病にかかると一生介護が必要になる。現在分かっている先天性異常を引き起こす蚊媒介性疾患はジカ熱だけだ。

またジカ熱の場合と同様、デング熱に感染した患者の大半は、症状が出ないため感染に気付かない。デング熱は年間3億9000万人が感染し、まれではあるが死に至るケースもある。

しかし、これら2つの疾患への対応は難航している。

あるデング熱の予防ワクチンがアジアと南米の6カ国で認可されているが、一部の専門家は、これらのワクチンは正しく利用されないと逆に感染の拡大につながる恐れがあると警告する。デング熱は再感染時に症状が深刻化する可能性が高いためだ。

またジカ熱のワクチンはまだ開発途上だ。

ワクチンは、ワクチン候補の開発に時間がかかるだけでなく、ワクチンの安全性や人間の病気への効果を立証するのにも数年を要するという。

ワクチン開発の難しさを認識している研究者らの間で、蚊を使って蚊を絶滅に追い込む取り組みが広がっており、米ミシガン州立大学の研究者で昆虫学者のジーヨン・シー氏が「蚊の工場」で進めている試みもその1つだ。

次回「感染症撲滅へ、武器は『蚊の工場』<3> 蚊をもって蚊を制す」は2月20日公開

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