米国で最も危険なスパイ<6> 同時多発テロで捜査は終了

米同時多発テロの発生を受けて状況が変わり、捜査は短縮を余儀なくされた

2017.01.08 Sun posted at 09:00 JST

(CNN) 2001年9月11日の米同時多発テロを受け、捜査は短縮を余儀なくされ、キューバ側の工作員を拘束する望みも失われた。

アナ・モンテス受刑者は米軍によるアフガニスタン進攻を見据え、爆撃の標的を分析するチームに選ばれており、国防総省の戦争計画にアクセスされる恐れがあったためだ。

同年9月21日、モンテス容疑者は国防情報局(DIA)の会議室に呼び出され、連邦捜査局(FBI)の特別捜査官ピート・ラップ氏により逮捕された。近年の米国でも指折りの危険性を持つスパイのキャリアに終止符が打たれた瞬間だった。

モンテス受刑者と弁護チームは検察当局と司法取引を行い、スパイ行為への関与を図った件について有罪を認めた。その見返りに禁錮25年と保護観察5年の量刑を言い渡され、公判は免れた。

アナ・モンテス受刑者

スパイ行為の詳細についてFBIなどに供述することでも同意し、1日5~6時間に及ぶ厳しい取り調べが週3回7カ月ほど続いた。

モンテス容疑者はこの中で、現地で働く米国人情報機関員4人の身元をキューバ側に明かしていたことを認めた。

DIAの元職員クリス・シモンズ氏によれば、1980年代に中米エルサルバドルに展開していた米軍特殊部隊の位置情報もキューバ側に流していたという。シモンズ氏はモンテス受刑者に対し、米国人が戦闘で殺害されるよう意図的に行動を起こしていたとして、激しい怒りを示す。

次回「米国で最も危険なスパイ<7> 動機」は1月9日公開

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