米国で最も危険なスパイ<4> 発覚の経緯

アナ・モンテス受刑者(右)は表彰を受けたこともある

2017.01.06 Fri posted at 17:00 JST

(CNN) 国防情報局(DIA)でのアナ・モンテス受刑者は、書類や電子ファイルを自宅に持ち帰ることを一切しなかった。連邦捜査局(FBI)によれば、16年にわたり発覚を逃れた一因はこの手口にある。

代わりに機密書類の細かな項目を暗記し、記憶を頼りに自身のノートパソコンに入力。暗号化されたディスクにこの情報をコピーしていた。キューバ工作員にディスクを受け渡す場所については、短波ラジオで指示を受けていた。

一方、DIAではスピード出世を遂げた。模範職員とみなされ表彰もされている。その評判は輝かしいもので、同僚から「キューバの女王」と呼ばれていた。

モンテス受刑者は1996年のある夜、国際情勢の変動を受けて国防総省での会議に呼び出された。

許可があるまで退勤してはならないという規則をモンテス受刑者がこのとき破ったため、DIAで対敵情報活動を担当するスコット・カーマイケル氏が不審に思った。

カーマイケル氏はモンテス受刑者に対し事情聴取を実施。聴取を終えると、何かを隠しているのではないかとの感覚を抱いた。しかし手がかりを得られなかったため、この件は流れた。

FBIがキューバスパイとみられる身元不明のDIA職員を捜索していると知ったのは4年後のことだった。

次回「米国で最も危険なスパイ<5> 摘発作戦」は1月7日公開

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