ウクライナ・キエフ(CNN) ウクライナ東部で発生したマレーシア航空機墜落の原因を調査している欧州安保協力機構(OSCE)のマイケル・ボーサキュー報道官は18日、CNNの取材に答え、墜落現場は武装集団の監視下にあり、十分な調査が行えないと語った。
ボーサキュー氏は「現在、墜落現場は世界最大の犯罪現場のようだ。現場は制服を着た武装集団が監視しており、彼らは(調査団に対し)非常に不愛想だ」と語った。
ボーサキュー氏は「現場には、管理者が1人もいないようだった。われわれの最優先課題の1つはブラックボックスがどうなったかを明らかにすることだが、誰一人その質問に答えられなかった」と付け加えた。
OSCEの21人の調査団は18日、ウクライナ東部ドネツク州トレーズの墜落現場に入った。現在、現場周辺はウクライナ政府と戦っている親ロシア派武装勢力の支配下にある。ただ現場を監視している武装集団の正体は明らかにされなかった。
ボーサキュー氏によると、調査団が現場にいられたのはわずか1時間15分ほどだったという。遠くではミサイルの音が聞こえ、調査団は不安になったとしている。
ボーサキュー氏は、現場から遺体が運ばれたかどうかは分からないが、現場保全が損なわれる恐れがあると警告した。この墜落現場は、電気もなく、アクセスが難しい場所にある。
ボーサキュー氏は「現場はまったく安全が確保されていない」と指摘。
「(監視している武装集団は)われわれがいた場所にテープを張っていたようだが、それ以外は誰でも簡単に現場に入って、証拠を改ざんしたり、残骸を移動できる。そのため、やるべきことは沢山ある。専門的な作業を早急に行う必要がある」と付け加えた。
米国の捜査当局者は、米連邦捜査局(FBI)が2人の捜査官を現地に派遣することを明らかにした。ただ調査の指揮はウクライナ政府が執る。
マレー機撃墜 OSCEに聞く