ウクライナ国境のロシア軍、初めて撤収の兆候 米国防総省

国境付近に展開中のロシア軍を写したとされる4月に公開された衛星画像

2014.05.22 Thu posted at 18:01 JST

ワシントン(CNN) 米国防総省高官は21日、暫定政権派と親ロシア派のにらみ合いが続くウクライナ東部情勢に関連し、ロシアがウクライナとの国境沿いに配置する軍部隊に撤収準備の兆候が初めて見られると述べた。CNNに明らかにした。

この形跡は国境沿いの数カ所の地点で確認された。ただ、撤退作業が始まっているとの証拠は得たものの実際の移動はまだ起きていないという。これら数カ所の地名については触れなかった。

ロシアのプーチン大統領は今月19日、報道官を通じ対ウクライナ東部国境近くに集結する数万人規模の部隊撤収を命じたと発表。撤退は既に開始され、完了まで一定の時間を要するとも述べていた。

しかし、北大西洋条約機構(NATO)のラスムセン事務総長はロシア側の発表から数時間後に部隊引き揚げの兆しはないと述べていた。

ロシアのプーチン大統領

プーチン大統領はこれ以前にも部隊撤収を宣言したことがあるが、米国やNATOはその事実はないと打ち消していた。

ロシア政府の公式サイトによると、同大統領は21日、中国・上海を訪問中に「ロシア軍部隊は対ウクライナ国境近くに最早いない」とも述べた。国防省にこれら部隊の訓練地への帰還を命じたが、訓練地からも撤収させるとの考えも示した。撤退命令についてはウクライナで今月25日予定される大統領選を考慮したとしている。

米政府によると、ウクライナ東部に近いロシア領内に配置された同国軍の規模は推定約4万人。

欧米諸国はロシアによるウクライナ南部クリミア半島の併合を受けロシアに経済制裁を発動。ロシアがウクライナ大統領選を阻止した場合、さらなる制裁を警告していた。

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