ウクライナ東部ドネツク(CNN) ウクライナ東部ドネツク州で親ロシア派が樹立を宣言した「ドネツク人民共和国」の住民投票実施委員会の委員長と自称する人物は10日、州の事実上の独立の是非を問う11日の住民投票の準備は90%終え、投票率は70%を予想しているなどと述べた。
CNNに明らかにした。東部ルガンスク州でも行われる住民投票ではロシアのプーチン大統領が延期を求めたが、実施の方針に変更はないとも強調した。
ドネツク市内では活動家が投票箱を車に積む姿も見られた。同州の「中央選挙管理委員会」はソーシャルメディア上で、18歳以上の住民は州の登録スタンプが付いた旅券を提示すれば投票資格を得られると説明。
投票時間は通常の12時間より長い14時間で、投票者の拡大を狙っている。ウクライナ暫定政権が最新の有権者名簿の提供を拒否したための措置としている。投票が行われた場合、開票結果は11日夜にも明らかになる見通し。
ドネツク州スラビャンスク近くの町ではロシアの国営テレビ、ロシア24が放映画面下に住民投票の投票会場や投票時間などを定期的に伝えている。これらの情報は他のテレビ局では流れていない。
ただ、ウクライナ暫定政権や欧米諸国は住民投票の結果がどうであれ、投票は違法行為として承認しない立場を示している。投票結果を受け、「ドネツク人民共和国」が次にどう動くのかも不透明となっている。
両州では親ロシアによる庁舎占拠などが続き、ウクライナ暫定政権は占拠の武装勢力などを掃討する作戦に踏み切った。ここ数日間は武装衝突や死傷者の発生が報告されている。ドネツク州マリウポリでは9日の衝突で少なくとも7人が死亡、39人が負傷していた。住民投票の実施を控え、ドネツク市内などには緊迫感が漂っている。
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