親ロ派、庁舎から退去せず 政府は対応苦慮 ウクライナ

ウクライナ東部で親ロシア派による庁舎占拠が相次ぎ発生

2014.04.15 Tue posted at 11:39 JST

(CNN) ウクライナ東部で行政庁舎などの占拠を続ける親ロシア派のデモ隊は、暫定政府が通告した期限の14日になっても退去に応じる構えを見せていない。東部のゴルロフカでは新たにデモ隊が警察本部に突入し、警官隊とにらみ合っている。

トゥルチノフ大統領代行は、デモ隊が現地時間の14日午前9時までに武装解除に応じない場合、ウクライナ軍による本格的な対テロ作戦を実行すると通告していた。しかしこの時刻を過ぎても、東部ドネツクなどで行政庁舎の占拠を続けるデモ隊に動きはなかった。

ウクライナのセルゲイエフ駐米大使は同日、CNNの取材に対し、建物内には女性や子どももいて、周辺では平和的なデモが行われていると説明。「流血を避けるための解決策を見つけるのが非常に難しい。さまざまな対応策を組み合わせる必要がある」と語った。

インターネットの動画中継サイト「ユーストリーム」には、ゴルロフカの警察本部にデモ隊が突入した場面とされる動画が掲載された。

動画の中で本部前に集まった人たちは、「国民投票」「ロシア」などと叫び、激しい暴行を受けたとみられる警察の制服姿の男性が救急車に乗せられる場面もあった。

親ロシア派のデモ=ドネツク、3月15日

建物内の廊下にはデモ隊が詰めかけ、割れたガラスが飛び散った部屋も。男性の集団が、侵入を阻止しようとする1人の警官とにらみ合う場面もあった。警官がどうなったかは不明。

警官たちはデモ隊に対し、略奪はしないよう呼びかけたが、建物内を歩き回る集団を阻止しようとする警官はいない様子だった。

同国東部で行政庁舎などが占拠されたのは、ゴルロフカで少なくとも10都市目となる。

退去通告期限が切れた後、トゥルチノフ大統領代行は議会で演説し、5月25日に予定されている大統領選と同時に「国民投票を実施しても構わない」と表明した。その上で、「議会がもし大統領選と同時に国民投票を実施すると決めた場合、国民の大多数は独立した1つのウクライナを支持すると確信している」と述べた。

ウクライナ暫定政権は、親ロシア派のデモにロシアが介入していることを示す確かな証拠があると主張。ウクライナ情勢に関して17日に開かれる国際会合にこの証拠を提出するとしている。

親ロ派、行政庁舎を占拠 ウクライナ東部

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