キエフ(CNN) ロシア政府は3日、北大西洋条約機構(NATO)に派遣している軍高官を協議のために召喚した。ロシアの国営メディアが伝えた。NATOは1日、ウクライナ情勢をめぐりロシアとの協力停止を発表していた。
ロシアの国営イタル・タス通信はアントノフ国防次官の発言として、NATOに派遣されていたエブネビッチ代表がモスクワに戻ると伝えた。
「私たちは(わざと)緊張をあおる政策を採るつもりはない。だが、NATOとの軍事協力を通常ベースで継続できる可能性はないとも考えている」とアントノフ次官は述べたという。
NATOは1日、28カ国の外相会合を開いた。アントノフ次官はこの席でNATOのラスムセン事務総長が「挑戦的な発言」をしたと批判。また、NATOが東欧で軍事プレゼンスを強化しようとしていることについて疑義を呈した。
一方、ウクライナの首都キエフで2月、反政府デモに参加した市民が銃撃され、多くの死者が出た問題で、ウクライナ暫定政府は暫定的な報告書を発表。ヤヌコビッチ前大統領がロシアの支援を得て狙撃作戦の立案に関与したと糾弾した。
大統領の座を追われたヤヌコビッチ氏はウクライナを出国し、現在はロシアに滞在している。同氏は市民射殺の責任は自分にはないとしている。
ロシアが3月にウクライナ南部クリミアを併合する動きに出て以降、東西関係は冷戦終結後最悪の状態だ。東欧諸国ではロシアに対する不安が高まっている。
ロシア軍の規模は?