米ロ外相、4時間の話し合いも溝は埋まらず ウクライナ情勢

国境を警備するウクライナ兵。ロシア外相は国境付近からの軍撤退には同意しなかった

2014.03.31 Mon posted at 11:19 JST

(CNN) 米国のケリー国務長官とロシアのラブロフ外相は30日午後、ウクライナ情勢を巡ってパリで会談した。これに先立ち、ラブロフ外相はウクライナが連邦制に移行すべきだと主張して欧米諸国の賛同を求めた。

ケリー長官とラブロフ外相の会談は4時間に及んだ。ケリー長官が会談後の記者会見で語ったところによると、ラブロフ外相はウクライナ問題の外交解決を目指す立場を改めて示したものの、ウクライナ国境に展開するロシア軍部隊の撤収には同意しなかった。

ケリー長官は「互いに外交解決の道を提案した。ワシントンへ持ち帰ってオバマ大統領と相談する」と述べた。

長官は一方で「ロシア軍が恐怖と威嚇の空気を作り出している。緊張緩和を望むと言いながら国境に兵力を結集するのは賢明な判断といえるだろうか」と非難し、双方の溝の深さをうかがわせた。

長官はまた、ウクライナの将来に関する話し合いにはウクライナ国民の参加が欠かせないと強調した。

ケリー米国務長官

会談では、ウクライナで少数派住民の権利擁護や戦闘集団の武装解除、憲法改正、国際監視下での自由選挙実施などを目指すことで合意に達したという。

ラブロフ外相は会談の数時間前、国営イタル・タス通信とのインタビューで、ウクライナが連邦制に移行すれば同国東部に住むロシア系住民らの権利を守ることができると主張。ロシアと米国、欧州連合(EU)が協力してウクライナの指導者らに呼び掛け、連邦制を認める新憲法の制定を目指すというシナリオを提案した。

ウクライナ情勢を巡り、ロシアと欧米諸国の緊張は「冷戦終結以来最悪」とされるレベルに達している。

米国防総省の報道官が同日語ったところによると、ヘーゲル国防長官は議会公聴会のため帰国していた北大西洋条約機構(NATO)欧州連合軍のブリードラブ最高司令官に、予定を短縮して欧州へ戻るよう指示した。

ウクライナ情勢を巡ってNATO諸国と緊密な連携を維持する必要があると判断したためだが、「差し迫った軍事行動を意味するものではない」という。

米ロ外相、ウクライナ情勢巡り会談

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