ロシアがクリミア編入を宣言 ウクライナは「強盗」と反発

ロシアのプーチン大統領はクリミアの編入を宣言した

2014.03.19 Wed posted at 10:49 JST

(CNN) ロシアのプーチン大統領は18日、上下両院議員の前での演説で、ウクライナ南部クリミア自治共和国をロシアに編入すると宣言した。クリミア半島では同日、ウクライナ軍施設が武装集団に襲われ、兵士1人が死亡した。

プーチン大統領は演説で、クリミア自治共和国の住民投票ではロシア編入への賛成票が97%近くに上ったと指摘。「これは非常に説得力のある数字だ」と強調し、「われわれの心の中でクリミアは常にロシアの一部であり、不可分の存在だった」と述べた。

これに対してウクライナ暫定政権のヤツェニュク首相は「国際規模の強盗だ」と強い反発を示し、「ロシアは今や国際社会全体から孤立している」と主張した。

ウクライナ国防当局の報道官がCNNに語ったところによると、クリミア半島の中心都市シンフェロポリのウクライナ軍関連施設が18日、覆面の武装集団に襲われ、兵士1人が死亡、もう1人が負傷した。施設は占拠され、複数の兵士が監禁された。

ウクライナ国防当局はこれを受け、クリミア半島の軍部隊による自衛目的の武器使用を認めると発表した。

16日の住民投票の様子。ロシア編入への賛成票が9割を超えたという

ヤツェニュク首相は、ロシアとの対立が政治的な形から軍事的な形に変化しようとしていると警告し、「その責任はロシア軍にある」と非難した。ポロシェンコ元外相も、ロシアとの間で「非常に危険な紛争が始まろうとしている」と危機感を示した。

一方でプーチン大統領は同日、クリミア半島には兵力を増派していないと改めて主張。黒海艦隊としてもともとクリミア南部セバストポリに駐留していた部隊を移動させるのは自由だとする立場を繰り返した。

欧米諸国はロシアへの非難をさらに強めている。今年6月にロシア南部ソチで開催される予定だった主要8カ国(G8)首脳会議(サミット)の準備は凍結された。

米国家安全保障会議のヘイデン報道官によると、オバマ米大統領は18日、来週ハーグで開催される核安全保障サミットに合わせ、ロシアを除いた主要7か国(G7)の首脳会議を開くことを提案した。

クリミア編入は「強盗」

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