ウクライナ情勢めぐり安保理緊急会合、米ロが対立

ウクライナ南部シンフェロポリに配備された兵士ら

2014.03.04 Tue posted at 11:23 JST

(CNN) ウクライナ南部のクリミア半島でロシア軍の配備が進むなか、国連安全保障理事会は3日、先週に続いて緊急会合を開いた。ロシアはヤヌコビッチ・ウクライナ前大統領から派兵の要請があったと主張したが、米国は国際法違反だとして撤退を求め、非難の応酬が続いた。

ロシアのチュルキン国連大使は会合で、ロシア軍投入の目的はウクライナの過激派を抑えることだと主張し、ヤヌコビッチ前大統領からの書簡を読み上げた。

前大統領はこの中で、ウクライナの秩序を回復し国民を守るためとして、プーチン・ロシア大統領に軍の出動を求めていた。

これに対して米国のパワー国連大使は、「ロシアの軍事行動は人権を守ることが目的ではない」と語り、ロシア軍が想定しているのは「想像上の脅威」にすぎないと批判した。

ウクライナのセルゲイエフ国連大使も、ロシア軍が国際協定に反してクリミア半島を占拠していると訴え、国連に助けを求めた。

ロシアの国旗を振る男性

英国のヘイグ外相は同日、ウクライナをめぐる情勢は欧州にとって今世紀最大の危機だとの認識を示した。

ロシア軍は同日、クリミア半島にさらに多くの部隊を送り込み、軍拠点などの施設を包囲して事実上の支配を固めた。一部の部隊はフェリーでケルチ海峡を渡り、半島東部に上陸したという。海峡をはさんだロシア側に装甲車が集結しているとの情報もある。

ウクライナ国防当局者によると、立ち往生している同国の軍艦にロシア黒海艦隊の司令官が乗り込み、「投降しなければ攻撃する」と迫った。

一方で黒海艦隊の報道官は、ウクライナ軍部隊を攻撃する予定はないと主張している。

ロシアのインタファクス通信は地元当局高官の話として、現地で武力衝突は発生していないと伝えた。こうした発言にもかかわらず、世界各地の市場で週明けの株価は大きく下落した。

緊迫のクリミア半島へ

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