激戦州オハイオ、ここが勝負の鍵を握るわけ 米大統領選

2012.10.28 Sun posted at 18:16 JST

(CNN) 11月6日投票の米大統領選が終盤に差し掛かるなか、民主党のオバマ大統領と共和党大統領候補のロムニー前マサチューセッツ州知事の両陣営は中西部オハイオ州でテレビ広告を流し支持を訴える電話をかけ、絶え間ない選挙戦を続けている。代議員18人を有するオハイオ州の重要性は誇張してもし過ぎることはない。なぜなら、1960年の大統領選以来、オハイオ州で勝った候補者が大統領に就任しているからだ。

オハイオ州立大のポール・ベック教授(政治学)は、投票を終えるまで選挙キャンペーンは続くと指摘。「どこで有権者をつかまえるかは問題ではなく、そのため、あらゆるところで選挙キャンペーンが行われている。州内を隅々まで周り、いたるところで広告を流している」と付け加えた。

この約1カ月間に、オバマ陣営は10回、ロムニー陣営は20回以上、オハイオ州を訪れている。両陣営がこれほど頻繁に遊説を行うのはオハイオ以外ではフロリダ州だけだ。

テレビ広告でも大金が投じられており、オバマ陣営は5700万ドル(約45億円)、ロムニー陣営は3400万ドル(約27億円)をつぎ込んでいる。ベック教授によれば、11月6日の投票当日まで主要なテレビ広告の枠は全て売り切れたという。

共和党顧問でCNNにも寄稿しているアレックス・カステラノス氏は、オハイオ州が雇用問題の中心地だとの見方を示す。

カステラノス氏は「オハイオ州は米国の無党派層の縮図だ」と指摘。レーガン元大統領を支持する民主党員や郊外に住む専業主婦、将来有望なラテン系などが住み、両陣営にとってますます重要なターゲットとなっている。

CNNの調査では、オハイオ州での支持率はオバマ大統領が50%、ロムニー氏が46%となっている。CNNのジョン・キング記者は「オハイオは非常に重要な州だ。オバマ大統領がわずかにリードしているが、ロムニー陣営からすれば並んでいるというところだろう」と指摘する。

批評家によれば、ロムニー氏はオハイオ州で勝利を収める必要がある。大統領選で勝つには過半数となる270人以上の代議員を獲得しなくてはならないが、オハイオ州を落としてロムニー氏が過半数を押えることは不可能とみられているからだ。

ロムニー陣営はまた、共和党の支持層が多いインディアナ、ノースカロライナ、バージニアの3州も重要視している。この3州とオハイオ州での勝利が、ロムニー氏にとっては必要不可欠となりそうだ。

一方、オバマ大統領は、ウィスコンシン、アイオワ、オハイオの3州を獲得することで再選を引き寄せることができそうだ。オバマ氏は前回2008年の大統領選では、共和党の大統領候補だったマケイン氏に52%対47%の得票で勝利している。

世論調査によれば、女性からの支持率はオバマ大統領が10%ポイント以上、ロムニー氏を引き離している。一方、男性からの支持率はわずかにロムニー氏が上だ。

かつてはオバマ大統領が10%ポイント以上のリードを誇っていたものの、1回目のテレビ討論会後にロムニー氏が差を縮めつつある。

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