米大統領選第1回テレビ討論会 経済問題を中心に激論

テレビ討論会に挑むオバマ大統領(右)とロムニー氏

2012.10.04 Thu posted at 11:51 JST

(CNN) 米大統領選の両候補者による討論会が米コロラド州デンバーで3日に始まり、雇用創出を中心とした経済問題で議論は幕を開けた。11月6日の投開票を前に、支持率の差が縮まるなか、選挙キャンペーンはこれまでの「中傷合戦」から、新たな段階に入った。両候補者は、なぜ自分に投票すべきか、なぜ相手への投票を断念すべきか議論を戦わせ、全国の視聴者を引きつけようとしている。

民主党のオバマ大統領は「中間層がベストのときの米国がベストだ」と指摘。共和党のロムニー前マサチューセッツ州知事が掲げる富裕層向けの減税策は過去にも失敗していると付け加えた。

オバマ大統領はロムニー氏による5兆ドルの減税策について、クリントン元大統領のフレーズを繰り返し、税収の増加がなければ計算が合わないと指摘。「計算と常識、過去の歴史が示しているのは、それが雇用増のための方策ではないということだ」との見方を示した。

一方、ロムニー氏は4年前に大統領に就任したときからの同じ政策を推進していると指摘。失業率は高止まりしており、経済の停滞も続いていると批判した。

ロムニー氏は、自身の減税策に対するオバマ大統領の批判を一蹴し、赤字が増えることはないと説明。また、オバマ大統領が求めている25万ドルの収入のある世帯や20万ドル以上の収入を持つ個人に対する税率を1990年代の水準に引き上げることについても批判。「全米独立事業者協会(NFIB)によれば、75万人の雇用が失われるという。雇用を犠牲には出来ない」と指摘した。

経済問題で議論を戦わせた

両候補者は医療保険制度改革(通称オバマケア)や金融規制改革法(ドッド・フランク法)で議論を戦わせた。

ロムニー氏は、経済活動を機能的に維持するためには規制が必要だとの考え方に対して、金融規制改革法に一部行き過ぎた対応があったとの見方を示した。また、オバマケアについては、共和党からの支持がないままに可決されたと批判。「正しい答えは、連邦政府に医療保険を任せないことだ」と従来の批判を繰り返した。

オバマ大統領は、ロムニー氏が医療保険や金融規制の制度改革について詳細な提案を行っていないと批判。ロムニー氏が詳細を明らかにしないのは、「あまりにも良すぎるプランだから秘密にされているのかと、米国民は自身に問いかけるなければいけないだとろう」と皮肉をこめた。

第1回討論会 オバマ大統領とロムニー候補が直接対決

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