共和党副大統領候補決定で本選モードへ 米大統領選

支持者に訴えかけるライアン氏

2012.08.12 Sun posted at 13:48 JST

バージニア州ノーフォーク(CNN) 今秋の米大統領選で事実上の共和党候補となっているミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事が11日に副大統領候補にウィスコンシン州選出のポール・ライアン連邦下院議員(42)を指名したことで、米大統領選も本選モードに入ってきた。

ライアン氏は共和党の新星で、下院予算委員の委員長を務めるなど、財政・予算関連の党のリーダーだ。選挙戦ではこれまで以上に政府支出や経済に焦点を当てると見られる。

ライアン氏は、バスで4州を4日間で回るロムニー氏の遊説に同行し、最初の訪問先であるバージニア州ノーフォークで早速、自分とロムニー氏は、今の米国経済に不満を持っている有権者の味方だと訴え、オバマ大統領と一線を画す姿勢を見せた。

ライアン氏は「米経済の今の状況を『ニューノーマル(新たな標準)』と呼ぶ人がいるが、高い失業率や所得の減少、多額の負債は決して標準ではない。これは誤った政策の結果だ。来年1月から、中流層の強化を目指すロムニー氏の計画で、雇用や労働者の手取り給与の増加を実現し、米国経済は復活し始める」と語った。

またロムニー氏もライアン氏は「信仰のあついカトリック信者」で「共和党の知的リーダー」と賞賛した。

ライアン氏はその後の訪問先のバージニア州マナッサスでも経済問題を取り上げた。

ライアン氏は「ノー」を連呼する聴衆に対し、「米国経済は正しい方向に向かっているか。債務や赤字は制御できているか。米国は正しい方向に向かっているか」と問い掛け、「なぜそうならないのか、それはオバマ大統領の政策が全く機能していないからだ」と述べた。

しかし、オバマ陣営も黙ってはいない。共和党予算案の立案者であるライアン氏に対しておなじみの批判をし、現在の景気低迷の原因を作ったと批判されているジョージ・ブッシュ前大統領とライアン氏を結びつけようとした。

オバマ陣営は声明の中で、「ロムニー氏が副大統領候補に選んだライアン氏は、富裕層に減税の恩恵を与える一方、中流層や高齢者にはさらに重い負担を背負わせることが経済の強化につながるとの誤った理論を共有する共和党下院議員のリーダーだ」と批判した。

民主党議会選挙対策委員会(DCCC)の委員長を務めるスティーブ・イスラエル下院議員(ニューヨーク州選出)は、「ライアン氏とロムニー氏は富裕層には人気があるが、医療保険給付を受給してきた高齢者には最悪のコンビだ」との見方を示す。

イスラエル議員はさらに、「われわれは過去18カ月間、共和党議員らは弁護の余地のないこと、つまりメディケア(高齢者向け医療保険制度)廃止の実現について弁護せざるを得なくなると主張してきた。ライアン氏が副大統領候補となった今、共和党下院議員らは彼らができれば避けたいと思っていたこと、すなわち、富裕層を優遇してメディケアや中流層を二の次にするという共和党の予算案に関する国民的議論に向き合わざるを得なくなる」と指摘した。

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