無法状態のハイチ、性暴力横行も加害者放置が現状 国連報告

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ポルトープランスの主要刑務所付近で火の手が上がる様子/Luckenson Jean/AFPTV/AFP/Getty Images/File

ポルトープランスの主要刑務所付近で火の手が上がる様子/Luckenson Jean/AFPTV/AFP/Getty Images/File

(CNN) 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は4日までに、武装ギャング組織がはびこり政情不安が深刻なカリブ海の島国ハイチで、レイプなどの性的暴行被害の報告が過少な上、大半で加害者が罰せられない嘆くべき状況にあるとの報告書を公表した。

ギャング組織の横行で殺害された住民らは今年これまで1500人以上とも報告。昨年の4451人を上回る基調にあるとした。

汚職、恣意(しい)的な免罪、貧弱な統治にのさばるギャングの犯罪増加が法治の土台を侵食し、瓦解(がかい)の瀬戸際にあるとした。暴力などを逃れる国民避難民は昨年12月時点で約31万3900人に達した。

OHCHRは入手した証言に基づき、ギャングは子どもを組織に誘い込み、敵対する相手の動向の見張り番などに使っているとも伝えた。

同国のアンリ首相は先に退任を迫るギャングの意向に応じる形で、辞任を発表。ギャング組織はこれより前、刑務所襲撃を図り、政府庁舎を攻撃してアンリ政権の打倒を目指す動きを見せていた。

首相辞任を受け行政権限を握る「暫定評議会」の発足が発表されたが、情勢の安定化につながるのかは不明。

OHCHRの報告書によると、禁止されているはずの近隣諸国を通じた武器弾薬のハイチへの密輸は常習化している。これがギャング団が戦闘能力でハイチの警察を上回る要因ともなっている。

警察はこれに加え、深刻な低月給や人員不足にも悩まされている。OHCHRによると、住民1000人あたりに配置される警官の比率は1.3の水準だという。

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