ロシア治安機関、襲撃前にISISの脅威を認識か 英拠点の調査団体

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テロ襲撃現場となったコンサート会場外の様子を捉えた画像/Dmitry Serebryakov/AP

テロ襲撃現場となったコンサート会場外の様子を捉えた画像/Dmitry Serebryakov/AP

(CNN) ロシアの首都モスクワ近郊のコンサート会場が襲撃を受けた事件で、英国を拠点にする調査団体は30日までに、ロシアの治安機関が過激派組織イラク・シリア・イスラム国(ISIS)の脅威について事前に認識していた可能性を示唆する文書を入手したと明らかにした。

ロンドンを拠点にするドシエセンターによると、一連の文書には、中央アジアにおけるISISの分派組織「ISIS―ホラサン州(ISIS―K)」の影響で過激化したタジク人が事件に関与する可能性が示されている。

22日の事件では少なくとも143人が死亡し、ここ数十年にロシアで起きた襲撃で最悪の規模になった。襲撃犯はコンサートの開始直前、銃や焼夷(しょうい)兵器で「クロクス・シティー・ホール」を襲った。

ISISは声明や襲撃犯の撮った写真、プロパガンダ動画を公開して、事件への関与を主張している。

ドシエセンターはロシアの調査グループで、ロシアの石油王から政権批判に転じた亡命中のミハイル・ホドルコフスキー氏から支援を受ける。以前にもプーチン大統領や政権に関する詳しい情報を掘り起こした実績があり、文書やロシア政府内部からのリークを活用するケースが多い。

ドシエセンターは最新の報告書で「テロ攻撃の数日前、ロシア連邦安全保障会議のメンバーは国内の攻撃にタジク人が使われる可能性があるとの警告を受け取っていた」と明らかにした。

CNNはロシア大統領府にドシエセンターの報告書に関するコメントを求めたものの、これまでのところ返答はない。

事件の容疑者4人は中央アジアのタジキスタン共和国出身だが、一時ビザ(査証)や期限切れのビザを使いロシアで働いていた。テロ容疑で今週出廷した際には負傷の痕が明らかだった。ロシアメディアによると、このうち3人は有罪を認めている。

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