レバノンで取材のロイター記者、イスラエル軍戦車からの砲撃で死亡 調査結果

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ロイター通信のレバノン人映像記者イッサム・アブダラ氏の遺体を抱きしめる母親のファトマ・カンソさん=10月14日/Zohra Bensemra/Reuters

ロイター通信のレバノン人映像記者イッサム・アブダラ氏の遺体を抱きしめる母親のファトマ・カンソさん=10月14日/Zohra Bensemra/Reuters

(CNN) レバノン南部で10月にロイター通信のイッサム・アブダラ映像記者(37)が死亡し、その他6人の記者が負傷した件について、報道機関と人権団体は7日、イスラエル軍の戦車からの砲撃が原因だったと発表した。

ロイター通信と仏AFP通信、国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルとヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)が行った調査の結果は、法医学鑑定、目撃者の証言、政府当局者や弁護士、医療関係者への取材に基づいている。

調査結果は事案発生時にCNNが行った分析と一致している。当時、レバノン南部の現場近くにいたCNNの取材班は、10月13日にアブダラ氏らを襲った発射体はイスラエルから発射されたと報じた。

CNNはこうした見方についてイスラエル軍にコメントを求めている。

イスラエル政府のレビー報道官は7日、調査結果については「詳しくない」とした上で、「イスラエルの対ハマス作戦における指針は、比例性や必要性、区別に関する国際法の原則を尊重することだ」「我々はハマスを標的にしており、民間人を標的にしていない」などと述べた。

イスラエル軍のヘクト報道官は事案発生翌日の14日に、アブダラ氏の名前に言及したり、イスラエルの関与を認めたりすることなく、アブダラ氏の死亡について「悲劇的な出来事」と述べた。

AFPとHRWは調査結果の報告書で、事案はイスラエルによるジャーナリストへの「意図的」な標的を絞った攻撃だったと指摘した。ヘクト氏はロイター通信への声明で、「我々はジャーナリストを標的にしない」と述べるにとどまった。

アブダラ氏と負傷した6人の記者はレバノン南部からイスラエル国境を撮影中に死傷した。AFPのクリスティナ・アッシ写真記者は脚を切断し、入院している。

報告書によると、現場で発見された武器の破片の分析から、戦車の120ミリ砲弾で記者が死傷したことがわかった。砲弾はイスラエル起源のもので、同地域で他の勢力が使うものではないという。

公式声明やCNNの分析によると、現場にいたAFP、ロイター、アルジャジーラの記者は全員「PRESS」と明示された防護具を着用していた。アムネスティの調査では、攻撃を受けた場所に戦闘員や軍事目標があったと示すものは何もないという。

米国防総省は報道関係者を含む市民の保護をイスラエル側に求めているとしつつ、ロイター記者の死亡事案については独自の評価を実施していない。同省報道官は、米国が本案で独立した評価を行うのが困難だと指摘している。

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