子どもの呼吸器疾患増加、「新型病原体ではない」と中国当局

（ＣＮＮ） 中国保健当局は２３日、北部で増加している子どもの肺炎や呼吸器疾患について、未知の病原体や新型の病原体ではなく、毎年流行する季節性の病原体によるものだと世界保健機関（ＷＨＯ）に報告した。

ＷＨＯによると、２２日に小児疾患の増加について中国に詳しい情報を求め、その後中国疾病対策予防センターや北京の子ども病院の幹部とテレビ会議を行った。

中国の当局者は、具合が悪くなって医師の診察を受けたり入院したりする子どもが増えている理由について、子どもに多い感染症のマイコプラズマ肺炎とみていることを明らかにした。マイコプラズマ肺炎は抗生剤で治療できる。

１０月以来、ＲＳウイルスやアデノウイルス、インフルエンザによる受診や入院も増えていると当局者は説明した。一部では例年より早く増加がみられるものの、「予想外ではない」とＷＨＯは指摘している。

同じように呼吸器疾患が増加する現象は、新型コロナ規制が解除された後、他国でも見られる。

ＷＨＯによると、２３日のテレビ会議で中国当局は、症例報告増加の原因となっている可能性のある呼吸器疾患の監視態勢を強化したと説明した。

中国当局者は、患者が訴えている症状について、毎年冬に流行するウイルスや細菌による呼吸器疾患の症状と変わらないと報告。症例数が増加しても、病院は逼迫（ひっぱく）していないとした。

ＷＨＯは、症状がある場合は旅行を自粛するよう促しているが、中国を訪問する旅行客に対する予定変更の勧告は行っていない。