新型コロナ感染者ゼロの島国パラオ、ワクチン接種を開始

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新型コロナウイルスのワクチン接種を行う医療従事者/Courtesy Palau Ministry of Health

新型コロナウイルスのワクチン接種を行う医療従事者/Courtesy Palau Ministry of Health

(CNN) 太平洋の島国パラオで新型コロナウイルスのワクチン接種が始まった。同国ではこれまで感染者が1人も報告されていないが、いち早い接種で集団免疫の獲得を目指す。

パラオには2日、米モデルナが開発したワクチン2800回分が到着。保健省がツイッター上で発表したところによると、3日から接種が開始された。まず医療従事者や高リスクのグループから、28日間隔で2回接種を受ける。

最初の1人となった高齢者専門医のシルビア・オサーチさん(60)は「地域の皆さんを守るために接種を受けた。皆さんの番が来たら、われわれ医療従事者を守るために応じてほしい」と呼び掛けた。

同国はアジア太平洋地域に感染が広がり始めた昨年1月の時点で国境管理を強化。3月までには全面封鎖し、4月には国民の検査を開始していた。

米国との自由連合協定に基づき、ワクチンの早期供給に向けた米政府の「ワープ・スピード作戦」を通して素早く供給を受けた。

国土の面積は459平方キロメートルと、米国で最小のロードアイランド州の6分の1にすぎない。この地理的条件がワクチン展開の助けになると、保健当局者は指摘する。

同当局者は「接種は強制ではないため、人口の約80%が目標。集団免疫の獲得を目指す」と語った。

当初は5月までに接種を完了する予定だったが、米国からの供給が減速しているため、延長される可能性が高いという。

零下70度での保管が必要な米ファイザーのワクチンは対応できる設備がなく、モデルナのワクチンを選んだが、先月末にはファイザー製5000回分を保管できる冷凍庫が少なくとも1台、確保できたという。

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