「国連改革は待ったなし」 安倍首相が寄稿

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国連総会が行われる議場

国連総会が行われる議場

これらの難題に取り組むためには、国連の強いリーダーシップが不可欠だ。限りあるリソースの中、フルに役割を果たすためには、国連自身も縦割りを乗り越えなければならない。「一つの国連(One UN)」として、国連の各機関が協調し、組織としての一貫性を実現する他ない。そのためには、時として痛みを伴う大胆な組織改革も必要となろう。国連組織改革の中でも安保理改革は急務である。

混迷を極めるシリア、国連決議を公然と無視し、ミサイル発射や核実験を繰り返す北朝鮮といった喫緊の課題が山積する。特に、本年北朝鮮は2回の核実験を強行し、20発以上の弾道ミサイルの発射を繰り返し、その能力を向上させた。北朝鮮の核・ミサイルは新たな段階の脅威となっている。また、拉致をはじめとする北朝鮮の人権侵害は、地域の不安定化にもつながりかねず、国際の平和及び安全と不可分の問題である。国際の平和及び安全の維持に主要な責任を負う安保理の重要性は一段と高まっており、改革は待ったなしである。

国連創設以来、国際社会は地殻構造的に変化している。アジアやアフリカが独立を得て、加盟国の数も51から193になり、世界の政治・経済双方で存在感を増している。しかし、安保理の構成は、国際社会の平和と安全に主要な責任を負うにもかかわらず、70年前の国連創設当初の姿をとどめたままである。安保理の議題の多くを占める、アフリカですら常任議席を有していない。3週間前、ケニアで主催した第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)で、私は「歴史的不正義」を正したいというアフリカの願いに思いをはせ、アフリカ諸国が自らまとめた「アジェンダ2063」を尊重して「2023年までには、アフリカは常任理事国になるべきだ」という目標を強く支持した。

何よりもまず、安保理が、より代表性が高く、正統性をもち、かつ実効的なものとならなければならず、安保理の構成も、それに相応しいものにしなければならない。安保理改革の必要性は国際社会のコンセンサスであり、改革への支持は、各国が国際の平和と安全を真に達成したいと考えているかの試金石である。

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