親ロ派が独自選挙、ウクライナ政府は正当性認めず

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親ロシア派が独自選挙 ウクライナ東部

モスクワ(CNN) ウクライナ東部ドネツク、ルガンスク両州の親ロシア派が制圧する地域で2日、「議員」や「首相」を選ぶ選挙が行われた。

ロシア政府はこの選挙を有効と認め、結果を承認すると表明している。一方、ウクライナ政府をはじめ、米政府や欧州連合(EU)は、選挙は不当でありウクライナ政府と親ロ派が合意した「ミンスク合意」に違反すると非難した。

ドネツクの選挙管理委員会によると、出口調査では「ドネツク人民共和国」の首相を名乗るザハルチェンコ氏が得票率81%でリードしている。得票率は70~75%で「すべてが予想以上に順調だった」とした。

一方、「ルガンスク人民共和国」の選挙管理委員会は、ロシア国内の3カ所を含め100カ所以上の投票所で約50万人が投票したと発表した。

投票を前にウクライナのポロシェンコ大統領は、「テロリストによる偽りの選挙」と非難。AFP通信によれば、当局は2日、刑事事件として捜査に乗り出したことを明らかにした。

住民の中には、ウクライナ政府が承認するかどうかを問わず投票に出かけると話す人もいる。投票と引き換えに野菜や果物を無料または安い値段で受け取った住民も多かった。一部の投票所では有権者を呼び寄せるため、野菜がうず高く積まれていた。

住民は、この選挙が衝突の終結につながってほしいという期待を口にした。ある学校教員は「夜も昼も銃声が聞こえ、爆撃される。防空壕や地下室はあるけれど、あそこに戻りたくはない。だから事態の改善を期待して選挙に備えた」と語る。

別の住民も「絶え間ない銃撃をみんなが恐れている。でも生活を良くするため投票には行かなければならない」と話した。

ただし投票結果の信憑(しんぴょう)性を確認する手段はなく、投票所の監視も行われていない。

ウクライナでは1週間前に議会選挙が実施され、親欧州派の政党が政権を維持した。しかしロシアが編入したクリミア半島や親ロシア派が制圧する東部の住民は、衝突が続く中で投票に参加できなかった。

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