「アラブの春」は今 5つの兆候が示す中東の変化

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「イスラエルが全ての悪」という考え方も米国陰謀論も退潮しつつあるようだ

「イスラエルが全ての悪」という考え方も米国陰謀論も退潮しつつあるようだ

しかし、近代化推進派は新しい戦術を発見した。イスラム原理主義者に選挙で勝てないならば、彼らを笑い飛ばせばいいのだ。

特にエジプトなどでは、効果的に対抗しているようだ。風刺作家やコメディアンが、宗教的権威を擁護する神聖な雰囲気を否定し、インターネット上のツイッターや動画投稿サイト「ユーチューブ」なども駆使して非常に大きな支持を集めており、聖職者や権力者にとり大きな脅威となっている。

そのために中東各国で抑圧され、イスラム教や大統領などを侮辱した容疑で逮捕されることもあるが、逮捕によりさらに人気が高まるという皮肉な結果にもなっている。

3.米大統領の訪問にも高まらない関心

オバマ米大統領が3月にアンマンを訪問したが、大半の人はほとんど関心を示さなかった。オバマ大統領を乗せた車列が街中を走っても、抗議する人もいなかった。レストランから好奇のまなざしで大統領を眺める人はいても、街の活気のなさについて大統領を責めるものはいなかっただろう。米国はもはや、良い意味でも悪い意味でも、かつてのように畏怖の念を抱かれる存在ではなくなった。

中東における「米国の陰謀」論や、シリアへの不介入やイスラエル寄りの姿勢への批判も存在はするが、強烈だった米国への関心が過去のものとなったのは明らかだ。

4.「イスラエルが諸悪の根源」という主張は後退

イスラエルに対する強い敵意はまだ広く残るが、イスラエルが、中東の問題の全ての原因だとはもう考えられてはいない。

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