よみがえるブラックパンサー、米社会に根強い影響

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「黒人の命も大切」と訴える運動が全米に広がった

「黒人の命も大切」と訴える運動が全米に広がった

3.警察の真の姿を示す

警官から不当な扱いを受ける黒人の映像が拡散する今日、パンサー党ならどういう対応を取っただろうか。同党は50年前から、刑事司法制度に人種的な偏向があるとして米国民に訴えていた。

こうした主張は当時は退けられたものの、ファーガソンやボルティモアのような都市で警察の暴力で抗議が起こる今日ではより響くものがあると、ネルソン監督は指摘する。

ただ、警察の暴力性を告発するために結成されたパンサー党の主張の正当性は皮肉にも、同党の壊滅によって明らかになった。影響力を増した同党の指導者の一部は、権力欲をむき出しにして横暴になり、暴力におぼれた。警官を奇襲して殺傷する党員も現れた。パンサー党が自ら崩れていったことは疑いの余地がない。

パンサー党が警察を悪者扱いしたとする指摘は今日でも絶えない。ニューヨーク市のジュリアーニ前市長は、スーパーボウルでのビヨンセのパフォーマンスを批判。同党への言及は警官への攻撃に等しく、ほとんどの警官は市民を守るために命をかけていると述べた。

だが、パンサー党の壊滅を目論んだ急先鋒は米連邦捜査局(FBI)のエドガー・フーバー元長官だったとみられている。フーバー元長官は1969年、同党について「国内の治安に対する最大の脅威」と主張し、特別プログラム(COINTELPRO)による摘発に乗り出した。

FBIは情報提供者を潜入させたほか、匿名の手紙を送って指導層の内部分裂を画策。また、警察による後日の暴力的な急襲作戦を正当化するため、武装蜂起の計画を扇動する工作員も潜り込ませた。PBSのドキュメンタリーなどによると、指導者として有望視されていた若い党員を暗殺したケースもあったとしている。

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