走る豪邸、屋上ラウンジも備えた超豪華2階建てRV、エレメント・パラッツォ・スペリオール

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「世界一豪華な移動式住居」と銘打った「エレメント・パラッツォ・スペリオール」/Marchi Mobile Vienna

「世界一豪華な移動式住居」と銘打った「エレメント・パラッツォ・スペリオール」/Marchi Mobile Vienna

(CNN) 「高級車」と聞いて思い浮かぶのは、ロールス・ロイスのファントム、ランボルギーニ、フェラーリあたりだが、超豪華なレクリエーショナル・ビークル(RV)、「エレメント・パラッツォ・スペリオール」もそれらに引けを取らない。

同車のデザイン、設計を行ったのは、プロモーション用の車両や医療トラックを専門とする欧州の自動車メーカー、マルキ・ホールディングAGの子会社であるマルキ・モービルだ。

同社が「世界で最も豪華な移動式住居」とうたうこの革新的なRVは、スポーツカー、航空機、ヨットからヒントを得た独特な美しさが特徴だ。

価格は、カスタム構成にもよるが、1台あたり200万~400万ドル(約2億9000万~5億8000万円)で、製造に約2年かかる。

きっかけは自動車設計への情熱

リビングルームには42型LED液晶テレビ、バーキャビネット、ワイン冷蔵庫が備えられている/Marchi Mobile Vienna
リビングルームには42型LED液晶テレビ、バーキャビネット、ワイン冷蔵庫が備えられている/Marchi Mobile Vienna

マルキ・グループの創業者で、エレメント・パラッツォ・スペリオールの開発の「原動力」ともいえるマリオ・マルキ氏は、オーストリアのウィーン出身で、自動車の設計に対する情熱から2002年にマルキ・グループを設立した。

マルキ氏は、05年にエレメントの設計図を書き始め、10年にエンジニアのチームと手作業で最初の車両を作った。そして12年にエレメントの最初のモデルを発表した。

以来、エレメントの全体的な美しさは一貫して維持されているが、グリルから材料、製造ラインに至るまで、全てが進化している。

またマルキ氏は過去10年の間に、まずロボットを使ったユニットの組み立てを開始した。車を購入した顧客をサポートするためのスペアパーツも設計し、さらに当初使用していたグラスファイバーの代わりに、より軽く、強く、耐久性のある産業用炭素繊維を使い始めた。

「まるで4Dシネマのよう」

車体のデザインは、前に突き出た大きなフロントガラスと高い位置の運転席が一際目を引く/Marchi Mobile Vienna
車体のデザインは、前に突き出た大きなフロントガラスと高い位置の運転席が一際目を引く/Marchi Mobile Vienna

エレメント・パラッツォ・スペリオールを見て最初に目に付くのは、前に突き出た大きなフロントガラスと、非常に高い運転席を備えた未来的な運転室だ。

ヘリコプターからヒントを得たというこの運転室は、エレメントの2階に設置されているため、ドライバーはまるで路上を飛んでいるような感覚を覚える。

運転室の内部は、機長の座席やデジタルダッシュボードを備えた民間航空機の操縦室に似ている。

「まるで4Dシネマの中にいるようだ。周りの景色が180度見渡せて素晴らしい」(マルキ氏)

さらに、エアロダイナミックな車体の形状は、燃料消費の削減を意図して設計された。

マルキ氏によると、重さ28トンのエレメントの空気抵抗係数(風の抵抗)は0.36で、同じ大きさの一般的なRVと比較して燃費効率が約20%高いという。ちなみに、平均的なスポーツカーの空気抵抗係数は0.30だ。

くつろげる車内

開発を主導したマリオ・マルキ氏は、全ての顧客の目的に合わせたユニークな車体の製造を心がけていると語る/Marchi Mobile Vienna
開発を主導したマリオ・マルキ氏は、全ての顧客の目的に合わせたユニークな車体の製造を心がけていると語る/Marchi Mobile Vienna

エレメントの車体の長さは約12~14メートル、幅は約2.6メートル(フルに展開すると約5メートル)だ。ヨットの舷窓(げんそう)からヒントを得た楕円(だえん)形の窓、クロムメッキのトリム、さらにマルキ氏のいう「レースカーデザインのライン」を特徴とする。

また約68平方メートルの居住スペースには、放射床暖房、アンビエント照明、調整可能な温度ゾーン、最高級の簡易キッチン、暖炉、自動スライディングドアを備える。

リビングルームエリアはマルキ氏のお気に入りの一つで、ラップアラウンドソファに、42型LED液晶テレビ、さらにバーキャビネットとワイン冷蔵庫も備え、客をもてなすのに最適だ。

王室仕様

プライベート空間に堂々と置かれた英国王室御用達のヒプノス製キングサイズベッド/Marchi Mobile Vienna
プライベート空間に堂々と置かれた英国王室御用達のヒプノス製キングサイズベッド/Marchi Mobile Vienna

キッチンの向こう側にある目立たない引き戸を開けると、広々としたメインベッドルームがある。

このプライベート空間には、ドレッシングエリア、大画面テレビ、十分な収納スペース、さらに英国王室御用達のヒプノス製キングサイズベッドを備える。

またこのメインベッドルームには、レインシャワーと光線治療器を備えた独立した「スパルーム」もあり、まるで高級ホテルでくつろいでいるような気分を味わえる。

屋上テラス

ルーフ部分にはヨットのフライブリッジを思わせる屋上テラス「スカイラウンジ」を備える。このテラスは自動昇降システムによりルーフの中から現れる。

またエレメントは移動中も楽しめるように、作り付けの家具、スタインウェイ・リンドルフ製のサウンドシステム、放射床暖房、サンキャノピー(張り出し屋根)など、あらゆる設備を備えているが、足りないものがあれば何でもカスタマイズ可能だとマルキ氏は言う。

マルキ・グループの顧客は富裕層の個人や企業が多く、仕事で車での移動が多い人や、飛行機よりも車での移動を好む人もいるという。またある時には、この車両をイベントやプロモーションに利用する計画の顧客もいる。

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