中国の人気アプリ、チャットGPTを削除 AI開発競争が過熱する中

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人工知能(AI)チャットボット「チャットGPT」のオープニングスクリーン/Leon Neal/Getty Images Europe/Getty Images

人工知能(AI)チャットボット「チャットGPT」のオープニングスクリーン/Leon Neal/Getty Images Europe/Getty Images

香港(CNN) 中国の複数の人気アプリが、世界を席巻している人工知能(AI)チャットボット「チャットGPT」へのアクセスを削除したことが分かった。中国では大手ハイテク企業各社が自社製AIチャットボットの開発にしのぎを削っている。

チャットGPTは米国の研究所オープンAIが開発した。中国国内で正式利用することはできないが、中国のSNS「微信(ウィーチャット)」の一部のアプリではこれまで、VPNや外国の電話番号を使用しないチャットGPTへのアクセスを認めていた。

しかし今週に入り、「チャットGPTロボット」や「AIGCチャットロボット」といったアプリが、「関連法令の違反」を理由にプログラムが停止されたと発表した。具体的にどの法令かは明らかにしなかった。

他の2アプリ「チャットgptAiAi」と「チャットAIカンバセーション」も、「関連する事業の変化」や政策変更を理由に利用が停止された。

利用停止となった原因は不明だが、中国がチャットGPTへの警戒を強めている兆候は他にもある。中国国営メディアは20日、チャットGPTが米当局による「偽情報拡散や世論操作」に利用される可能性があるとの動画を公開し、偏向の証拠として新疆に関する回答を挙げた。

新疆に関する質問を受けると、チャットGPTは大量拘束や強制労働など、新疆の少数民族に対する中国政府の人権侵害疑惑について言及する。一方、中国政府はこうした批判を繰り返し否定。収容所は「職業訓練施設」であり、既に解体されたとしている。

チャットGPTは昨年12月に登場後、質問や入力内容に対して長文の回答を提供する能力が話題になり、瞬く間に拡散した。

中国ではIT大手アリババが、チャットGPTタイプの自社ツールを試験中だと明らかにしたものの、投入時期に関しては詳しく説明しなかった。

中国の復旦大学のチームも「MOSS」と呼ばれる自前のサービスを開発。これはたちまち拡散し、ユーザーの殺到でプラットフォームがアクセス不能になる事態に陥った。

さらに中国IT大手、百度(バイドゥ)は22日、3月公開予定の同社のAIチャットボット「ERNIE Bot」について、検索エンジンや音声アシスタント、自動運転技術など様々なプラットフォームで利用できる見込みだと明らかにした。

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