サッカー界の男女格差是正を、W杯優勝の米女子代表チームが挑む次の戦い

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W杯優勝のサッカー米女子代表、男女の賃金格差是正訴え

(CNN) 7日に行われたサッカーの女子ワールドカップ(W杯)決勝戦でオランダを下して4度目の優勝を果たした米代表チーム。だが選手たちにとって、本国で続くもう1つの戦いはまだ終わっていない。

「米国にとって絶大な誇りとなる今この瞬間も、悲しい不平等があまりにもあからさまに存在している。米国民はもはやそれを支持しない。この選手たちの方が多くの収益をもたらし、より高いテレビ視聴率を集めるのに、女性だというだけの理由で賃金は少ない」。米女子代表選手が男子選手との格差是正を求めて起こした訴訟で、原告側広報のモリー・レビンソン氏はそう指摘。「連盟はこの格差を是正すべき時だ」と訴えた。

今年3月、米女子代表の28選手が米サッカー連盟を提訴した。実質的に同じ働きをしているのに、男子代表選手よりも女子代表選手の方が賃金が少ないのは差別に当たると主張。賃金や練習、旅行条件などを男子選手と同等とすることや、女子の試合の平等な宣伝および平等なサポート、雇用条件を男子選手と同等とすることなどを求めている。

サッカー連盟と原告との間では先月、訴訟を調停に持ち込むことで暫定合意が成立しており、W杯の終了を受けて調停が始まる見通しとなった。

フランス・リヨンの決勝戦後に行われた表彰式では、米女子代表選手の訴訟を応援して「平等な賃金を」と求める歓声が観客席から巻き起こった。

決勝戦でゴールを決めたミーガン・ラピノー選手は6日の記者会見で国際サッカー連盟(FIFA)を批判。賞金額の差を指摘して、FIFAは男子選手に比べて女子選手に対する敬意が薄いと訴えた。

2018年の男子W杯の賞金は4億ドル(約430億円)だったのに対し、女子選手が今年受け取る賞金は3000万ドル(約32億5000万円)にとどまる。

FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は、2023年に開かれる次の女子W杯では賞金を倍にすると表明した。しかしラピノー選手は、それでもまだ平等にはほど遠いと批判し、「間違いなく不公正」「今2倍にして、次回はその数字を2倍か4倍にすべき」と訴えている。

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