優勝は「ひげの女装歌手」 欧州の歌謡選手権

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ユーロビジョン、優勝は「ひげのレディー」

(CNN) 欧州各国対抗の歌謡選手権「ユーロビジョン」の決勝大会が10日、デンマークの首都コペンハーゲンで開催され、女装姿にひげを生やしたオーストリア代表、コンチータ・ウルストさん(25)が優勝した。

ウルストさんは普段、男性として本名の「トーマス」を名乗っているが、ステージ上では「ひげのレディー」を自称。長い髪にタイトなドレス姿でバラードを熱唱し、オーストリアに1966年以来の勝利をもたらした。

ウルストさんの出場を巡っては、同性愛の宣伝を規制する法律が成立したロシアや、アルメニア、ベラルーシなどで反対運動が起きていた。

本人は記者団に「私は夢がかなった。社会は前へ進む意志を示した」とコメント。マネジャーも「寛容の勝利だ」と語った。

ユーロビジョンは第2次世界大戦後の1956年に近隣諸国間の親睦を掲げてスタートし、現在ではテレビ放映を45カ国から1億8000万人が視聴するコンテストに発展した。

主催者は「非政治的なイベント」と強調するが、審査にもパフォーマンスにも政治の影響はにじみ出る。準決勝ではロシア代表の双子、トルマチェフ姉妹(17)が観客からブーイングを浴びた。

ユーロビジョン専門ウェブサイトを運営するウィリアム・リー・アダムス氏は、「ウクライナ南部のクリミア半島がロシアに併合されたことやプーチン大統領の反同性愛法に対し、欧州の人々は怒りを感じている。ウクライナやロシア国内の性的少数派を応援する気持ちがブーイングに表れたのだ」との見方を示した。

姉妹の歌に「一線を越える、一度に一歩ずつ」「あなたが私のものになる日が来るかもしれない」といった歌詞が入っていたことも、欧州の神経を逆なでしたようだ。

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