気分は巨匠? ルーブル美術館の複製画家を訪ねて

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「ルーベンスその人になる」と話すシグリッド・アブリリエ氏

「ルーベンスその人になる」と話すシグリッド・アブリリエ氏

今日においても事情は大差ない。黙々と作業する複製画家に対して、来館者からは戸惑いと好奇の視線が注がれるばかりである。子どもたちなど我先にと、のぞきこんでくる。

アブリリエ氏は「子どもたちにはわからない」と意に介さない。美術館に行っても名画に圧倒されて終わるのが大抵のところだが、あえて複製に挑戦することで充実感が得られるという。

もっとも同氏は「私たちが書いているのは結局、単なる複製にすぎない。ラファエロの新しい絵だと強弁するつもりはない」と付け加えるのも忘れなかった。

同氏の自宅には、お気に入りの「自作」であるコレッジョの「聖カタリナの神秘の結婚」の複製画が飾ってあるという。

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