太古の火星に生命?、有毒な火山湖に住む微生物が手がかりに

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2019年の実地調査で、噴気孔の付近に立つジャスティン・ワン氏/courtesy Justin Wang

2019年の実地調査で、噴気孔の付近に立つジャスティン・ワン氏/courtesy Justin Wang

2つの湖の物語

山頂付近の2つの火口湖はどちらも噴火口に雨水がたまって形成されたものだが、これ以上ないほど互いに異なっている。一方の休止中の火口には、熱帯植物に囲まれたボトス湖がある。もう一方の活動中の火口にあるのがラグナ・カリエンテで、湖の中には液体の硫黄や鉄が含まれる。この湖から発生したガスは酸性雨と酸性霧を発生させ、付近の生態系を傷つけ、探検に訪れた人の目と肺に炎症を引き起こす。

研究チームは2013年と17年、19年の3回にわたって湖の実地調査を行った。19年の調査の結果はまだ出ていないが、この旅はワン氏にとって忘れられないものなった。

ポアス火山はコスタリカの熱帯雨林のただ中に位置する山で、最近では17年と19年に噴火した。火山から放出される有毒ガスの影響で周囲に生命は存在しない。

ワン氏らは19年11月、火口湖が再形成されてから1カ月後に山を訪れた。酸で地表の物質が分解され、土壌が緩んでいたため、足元に気をつけながらの旅になった。湖の一部が沸騰し、噴気孔と呼ばれる開口部からは高温の硫黄ガスが噴き出していた。

湖の周囲には沸騰する水や酸がたまった場所があり、湖岸に近づくと靴底を通して火山の熱が感じられた。

研究チームは13年や17年の調査と同じく、湖から試料を回収。ワン氏は「この湖から試料を採取するのは強烈でスリリングな体験だった」「ここを訪れることができた科学者は世界でも一握りであり、その1人になれて本当に幸運」と振り返る。

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