母親の血液検査で胎児の疾患を判定 苦心の研究の舞台裏

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より安全なDNA検査の開発に向け、研究は続く

より安全なDNA検査の開発に向け、研究は続く

幸運なことに、08年に次世代遺伝子シークエンス解析が導入され、DNAの断片を短時間で大量に作り出せるようになった。ロー氏は11年、ダウン症を出生前に判定する血液検査を開発。現在90カ国以上の国でこの検査を受けることができる。

ロー氏は現在、極めて初期の段階でがんを発見する大人向けの血液検査の開発に取り組んでいる。「液体生検」と名付けられた手法で、がん細胞から血漿中に放出されたctDNAを探知。このDNAからがんの種類や進行状況を特定することが可能だとみている。香港ではすでに、1万人の中年男性がこうした検査を受けることができるようになっており、世界中で多くの命を救える可能性もある。

また、「液体生検」により臓器移植の際の拒絶反応を見極める研究にも着手。この方法を使い、死につつある臓器や組織から血中に放出されるDNAを探知できるようになった。

ロー氏によれば、次に焦点となるのは、母親の尿を使ったさらに侵襲性の低いDNA検査だ。出産後の胎児のDNAが母親の尿内に放出されていることはすでに確認しており、次なる「宝の山」に期待を寄せている。

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